この記事はこんな方のための記事です。
- マツモをきれいに育てたい
- 茶色くなったり枯れたりする原因が知りたい
金魚やメダカ水槽によく使われているのが「マツモ」です。
少し入れるだけで水槽のレイアウトがよくなりますし、水をきれいにしてくれる浄化作用もあるので、人気の水草です。
しかし、中には茶色くなってしまったり、溶けてしまったりしてうまく育たないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、水槽歴13年になる私がマツモをきれいに育てるためのコツなどについてお伝えします。
ちなみに私は熱帯魚と水草をメインで飼育しています。

マツモってどんな水草?基本的な育て方
まずはマツモの基本情報を確認しておきましょう。
名称 | マツモ |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性(pH6.0~8.0) |
育ちやすい水温 | 15~28℃ |
大きさ | 1本あたり20~60㎝ (水槽の大きさによる) |
Co2 | なくても育つ |
1本の価格帯 | 80~150円程度 |
主な特徴 | ・非常に丈夫で初心者向き ・成長が早い ・水をきれいにしてくれる ・浮かせても沈めても育てられる ・メダカや金魚の産卵床や隠れ家になる |
マツモは初心者でも育てやすい水草
水草は24~26℃程度の温水でしか育たないものも多いです。
しかし、マツモが適している水温は15~28度程度と幅が広く、水質にもうるさくないため比較的育てやすい水草といえます。
また、水槽の下に敷くものも砂利やソイル(水草用の土)など、何でもいいので、今の水槽にいきなりポンと入れても問題ないでしょう。
また、フィルターがない水槽に入れることもでき、まさしく「オールマイティな水草」といえるでしょう。
浮かせて育てても沈めてもよい水草

マツモは基本的には「浮かせて育てる水草」です。
金魚やメダカの水槽・鉢などに浮かべているイメージが多いかもしれません。
根を張って育つ水草ではないため「根付くまで安定しない」ということもありません。
また、重りなどを使用して沈めて使用することもできます。
水槽に合ったレイアウトにすることができるため、人気も高いです。
人気の重りはこちらの記事で紹介していますので、ご覧ください。

熱帯魚・メダカ・金魚など魚を選ばない

マツモが人気の理由として「一緒に入れる魚は何でもいい」という点が挙げられます。
メダカ・金魚水槽では定番ですし、熱帯魚水槽にも入れることができます。
ヤマトヌマエビ・ミナミヌマエビなどのエビの仲間と一緒にしても問題ないため「マツモと合わない魚はない」といってもよいでしょう。
Co2はなくても育つ
水草は光合成を行う際には、Co2を必要とするものも多いです。
もちろんマツモもCo2を添加するとよいのですが、なくても全く問題ありません。
さらに、ライト(光)が弱くてもよく育ちます。
水槽の中の少ないCo2と弱い光だけでよく、初期費用をかけずに育てることができるのでコスパもいいです。
マツモが茶色になる原因と対策

マツモが茶色くなっている時、次の2つを見極める必要があります。
- 茶ゴケが発生して葉についている
- 葉自体が茶色くなってしまう
この2つでは、対処の仕方が少し変わってきますのでお伝えします。
茶ゴケが発生して葉についている
「茶ゴケ」はその名の通り茶色いコケですが、水槽を立ち上げたばかりの時や、ろ過がまだうまくいっていないときに発生します。
「マツモ自体は育っているんだけど茶色い」という場合には、茶ゴケが付着しているだけの場合があります。

この場合は、主に水くきれいにしてくれる「バクテリア不足」が原因です。
バクテリアが増えるまでには数週間から数か月程度かかるため、気長に待つことが大切です。
ただ、1~2か月たっても茶ゴケが消えない場合は、フィルターなどろ過能力不足が原因とも考えられます。
そのような時はフィルターの見直しをおすすめします。
茶ゴケの原因やフィルターの選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。


また、すでについてしまった茶ゴケは水の中でゆすって落としたり、ヤマトヌマエビなどコケ取りの生体を入れる事で多少はキレイになります。

葉自体が茶色くなってしまう場合
また「葉自体の色が茶色くなってしまう」という場合には、いろいろな理由が考えられます。
- 強い光の当てすぎ
- 光量不足
- 栄養不足
葉自体が茶色くなり色が薄くなっていく場合、何が原因か判定しづらいことが多いです。
直射日光が当たっていたり、ライトの照明時間が長すぎる(1日10時間以上)など「光の当てすぎ」によって色が変化することもあります。
強い光で色が変化する水草は多いですからね。
また、それとは逆にライトが弱すぎたり点灯時間が少なすぎたり(1日4~5時間)しても、よく育たずに茶色くなってしまうこともあります。
マツモは「窒素」や「リン」など水中の汚れといわれるものを吸収して育ちます。
魚がたくさんいる水槽であれば、窒素やリンも増えて吸収しやすいですが、魚が少ない場合は逆にマツモも育ちづらいことがあります。
マツモが枯れる・溶ける原因と対策

マツモの葉がぽろぽろとなくなってしまう場合や、溶けて茎だけになってしまう場合には、栄養不足や水温変化などが影響している場合が多いです。
枯れる・溶ける原因
マツモが溶けてしまう原因はいくつかあります。
- 水温が高すぎる
- 栄養不足
夏場になると水温は30度以上になることがあります。
そのような時には水草は調子が悪くなり、徐々に溶けて行ってしまうことがあります。
野菜をお湯で似ていると同じで、一度調子を崩すと元に戻らないことが多いので、夏場の水温調整はしっかりしていきましょう。
室内で飼育している場合、基本的にはエアコンで管理するのをおすすめしています。

マツモは、水中の養分をよく吸収して生長が早い水草です。
しかし、水中の養分が少なすぎるとうまく育たない場合があります。
例えば、1週間に3回も大量に水替えをしてしまうと、水中の養分がなくなってしまうことがあります。
このような時はマツモが育たなくなってしまいます。
マツモが養分を吸収してくれると思って少し水替えを控えていくとよいでしょう。
傷んだ部分があると枯れてしまうことも
重りなどで茎の部分が傷ついてしまうことがあります。
傷ついた部分があると、そこからどんどん傷みが広がっていき枯れてしまうこともあります。
傷んだり、あまりにもコケがついた部分がある場合には、ハサミでトリミングをして、キレイな部分だけを残していくようにするとよいでしょう。
マツモをきれいに育てる方法

マツモは、どの水槽でも育つ水草ですが、よりうまくきれいに育てるには、ある程度条件を整えてあげるのがよいでしょう。
水草の生長に必要なのは「光・栄養・Co2」です。
これらを合わせてあげると、マツモはさらにきれいな緑色の水草に育っていきます。
必要な光量の目安
陸の植物と同じように、光は光合成とってかなり重要なポイントです。
マツモには「強いライト」までは必要ありませんが、ある程度の光量は準備してあげましょう。
表で言うと、左側の数字を目安にしてもらえれば分かりやすいと思います。
陰性水草 (光があまり必要でない水草) ※マツモもこちら側で | 陽性水草 (強い光が必要な水草) | |
30㎝水槽 | 800~1000 ㏐ | 1500 ㏐以上 |
45㎝水槽 | 1500~2000 ㏐ | 2500 ㏐以上 |
60㎝水槽 | 2000~2500 ㏐ | 3000 ㏐以上 |
ライトは魚の色もよくしてくれますし、水槽も明るくきれいに見えますので購入しておいて後悔することはないと思います。
こちらで、安くてよいライトを紹介していますので、ご覧ください。



Co2があるとさらに育つ

マツモに限らず、水草はCo2があるとかなりキレイに育つようになります。
光合成をすると、キレイな気泡を付けることもありますが、これを見るのが好きな方も多いです。
「Co2を添加する」と聞くと「なんか難しそう・・・」と思う方も多いと思いますが、思ったよりも難しくないです。
また、Co2を入れるとほぼすべての水草が生き生きと育ちますので、かなりレイアウトの幅も増えます。
試しにやってみるのであれば、こちらの「発酵式」がおすすめです。
2000円程度でCo2を添加できるので、手を出しやすいと思います。
こちらの記事で、Co2の添加方法をお伝えしていますのでぜひご覧ください。

肥料はなくてよい
マツモは、ほかの水草とちがって、あまり栄養を必要としません。
水中にあるごく少量の栄養や、魚のフンなどから出る栄養分だけで十分に育ちます。
そのため、基本的には液体肥料などをわざわざ入れなくても大丈夫です。
むしろ、肥料を入れすぎるとコケが増えてしまうこともあるので、入れる場合は少量にして様子を見ながら使いましょう。
夏と冬場の水温は調整するとよい

マツモは15~28℃くらいの水温で元気に育ちますが、夏や冬の極端な気温には少し注意が必要です。
夏場は水温が30℃を超えてしまうと、マツモが弱って枯れてしまうことがあります。
そのため、エアコンや冷却ファンを使って、なるべく28℃以下を保つとよいでしょう。
冬場は10℃以下になると成長が止まったり、枯れてしまうことがあるので、ヒーターで20℃前後に保つと安心です。
特に屋外のメダカ水槽などでは、季節によってはマツモを室内に移すなどの工夫もおすすめです。
マツモを浮かせる・沈める時のポイント

マツモは浮かせたり、重りを付けて沈めたりして育てます。
育てる時の注意点についてまとめました。
基本は浮かせて育てるのが安心
マツモは根をもたない水草で、水中から栄養を吸収するため、基本的には浮かせて育てるほうが理にかなっています。
水面に浮いていることで光が当たりやすくなりますし、魚やエビの隠れ家にもなります。
迷ったら「浮かせて育てる」ことをおすすめします。
重りで沈めるときは茎が腐らないように注意
レイアウトの関係上、重りを付けて沈めて育てることもあります。
その際には、茎の部分が腐ってしまわないように注意してください。
あまりにもたくさんの量をまとめてしまうと、通水性が悪くなって茎の部分が弱ってしまう場合があります。
通常は3~5本程度をまとめるとよいので、それ以上はまとめずに、別の重りを付けるようにしましょう。
茎の部分を傷めないようにスポンジ付きのおもりを使用するのもおすすめです。
もし傷んでしまったところは、ハサミで切って重りを付け直してください。
レイアウトに使うならどの位置が良い?

マツモはかなり背が高くなる水草なので、沈めて使うのであれば後景(水槽の奥側)に配置してあげるとよいでしょう。
フィルターの水流が当たりすぎるところでは、マツモが流れてしまったり黒ひげゴケが生えてしまったりすることがあります。
水流が弱いところがあればそちらに配置することをおすすめします。
マツモの増やし方とトリミング
マツモは水に浮かべているだけで気付いたら長くなっている水草です。
難しいことを考えなくても増えていくので簡単なのですが、キレイに保つためにはある程度のメンテナンスが必要です。
ここでは、マツモをトリミングするタイミングなどについてお伝えします。
浮かべているだけでどんどん増える
マツモは水に浮かべているだけでどんどん増えていきます。
水面をマツモで覆ってしまうようなことがありますので、増えすぎたら切って廃棄していくことも大切です。
光が水中に届かなくなる前に減らしていきましょう。
トリミングの方法
マツモは「キレイなところだけを残して切る」というくらいの感じでトリミングすれば大丈夫です。
茶色くなってしまった部分や葉が少なくなった分を切って、緑のキレイな部分だけを残して、また浮かべておいてください。
沈めて使用している方は、一度重りを外して、下の部分を半分くらいに切り、またもう1度重りに巻いて上のキレイなところを育てていきましょう。
その際、茶色くなったりしてよくない部分は捨ててしまうのがおすすめです。
マツモは水を浄化する以外にもメリットがたくさん

マツモは見た目が美しいだけでなく、水槽内でさまざまなメリットをもたらしてくれる水草です。
ここでは、マツモを入れることで得られる主な効果を紹介します。
水をきれいにしてくれる浄化作用
マツモは水中の余分な栄養分(アンモニアやリンなど)を吸収してくれるので、水をきれいに保つのに役立ちます。
余分な養分や汚れがあると、コケが生えやすくなり水槽が汚くなります。
それを予防するためにもマツモは役立ってくれるのですね。
酸素が増えてバクテリアも増える
マツモは光があるときに光合成をして、酸素を水中に出してくれます。
酸素が増えると魚も健康になりますが、水をきれいにするバクテリアも酸素が好きです。
バクテリアが増えると水がきれいになるので、よい循環で水槽がきれいになっていきます。
メダカ・エビ・熱帯魚などの隠れ家や産卵床になる

ふわふわとした葉のかたまりは、稚魚やエビが身を守るのにちょうどいい隠れ家になります。
メダカなどが産卵する場所としても使われることがあり、繁殖の手助けにもなります。
レイアウトとしても自然な見た目で、魚たちも安心して暮らせます。

マツモと相性の良い魚・悪い魚
マツモは多くの魚と相性がよく、いろいろな水槽で活躍できる万能な水草です。
ただし、一部の魚とは相性が悪いこともあるので、魚の種類によって注意が必要です。
メダカや金魚とは抜群の相性

マツモはメダカや金魚ととても相性が良く、一緒に入れても安心です。
屋外に置いてある鉢などでも育ちますので、ほぼNGはないでしょう。
熱帯魚の水槽に入れても問題ないので、オールマイティな水草といえます。
どの魚もOKだが水草を荒らす魚は△
基本的にはマツモはどんな魚とも混泳可能で、柔軟に使える水草です。
ただし、プレコや大型シクリッドなど、水草を食べたり荒らしたりする魚には注意が必要です。
そうした魚と一緒に入れる場合は、マツモを守れるように配置を工夫するか、別の水草を検討してもよいでしょう。
マツモの購入方法と価格の目安

マツモはどこでも手に入りやすく、価格も安いため、初心者にもおすすめの水草です。
ここでは、購入方法や価格帯、似た水草との違いについて紹介します。
ペットショップや通販で手軽に入手可能
マツモは多くのペットショップやホームセンターで販売されていて、いつでも気軽に購入できます。
また、楽天やAmazonなどの通販でも取り扱いがあり、セット販売や無農薬タイプなど種類も豊富です。
水草コーナーで「金魚藻」「ホーンワート」などの名前で売られていることもあります。
個人的にはメルカリも安くておすすめ!
ネットショップなどは信頼と安心があるのですが、個人的には「メルカリ」で購入するのもおすすめです。
ネットショップに比べて価格が安いため、財布に優しい商品が多いです。
発送者の管理の仕方や、発送方法によっては弱ってしまうこともあるため、多少のリスクはありますが、1度試してみるのもおすすめです。
私はメルカリをよく利用していますし、今まで失敗だったことはないです。
アナカリス・カボンバとどちらがいい?
アナカリスやカボンバもマツモと同じ「金魚藻」として人気がありますが、それぞれ特徴が異なります。


カボンバは植えて育てるタイプです。葉が細く見た目が繊細で美しい水草なので人気があります。
アナカリスはマツモやカボンバなどと比べると葉は少し大きめです。
こちらも丈夫なので金魚やメダカなど幅広く使用されています。
あとは、見た目の好みの問題がありますので、いろいろな水草を試していただければと思います。
マツモを育てるときの注意点
マツモはよく使われていて、基本的に育てやすい水草ですが、育ちすぎることで逆に困ってしまうこともあります。
トラブルを防ぐために、育てる上で気をつけたいポイントを紹介します。
放置しすぎると水槽がマツモだらけに

マツモは成長スピードがとても早く、放っておくとあっという間に水槽全体を覆ってしまうことがあります。
水の流れが悪くなったり、魚が泳ぎにくくなったりする原因にもなります。
定期的にトリミングをして、量をコントロールすることが大切です。
ライトの光が遮られてしまうことも
マツモが増えすぎると、水面を覆ってしまい、下の方に光が届かなくなることがあります。
そのせいで他の水草が育たなくなったり、レイアウトが暗く見えてしまうこともあります。
マツモの配置や量を調整して、光が水槽全体に行きわたるように工夫しましょう。
まとめ|マツモは初心者にもおすすめの水草
ここまでをまとめます。
- マツモはメダカ・金魚・熱帯魚水槽などもOKの「オールマイティ」な水草
- 余分な汚れや養分を吸収して水をきれいにする
- 基本は浮かべて育てる
- 沈めるなら重りを巻いて使用する
- 夏場は高温にならないように注意
マツモは、どの魚とも相性がよく水をきれいにしてくれるオールマイティな水草です。
価格もそこまで高くはないですし、入れておいて損になることもないので試してみる価値はあるでしょう。
少しだけでも水草があることで水槽が華やかになりますので、ぜひ試してみてください。
本格的な水草水槽の始め方はこちらで解説していますので、ご覧ください。
