・水草を育てたいのに、コケがついてしまって育たない。
・一刻も早くコケを消したい。
コケが出てしまう原因は8つです。
原因がわかれば確実にコケは減っていきます。
この記事では、水槽にコケが出る8つの原因とその対策についてお伝えします。
これを読めばコケの原因と対策がわかり、コケの少ないきれいな水槽を眺めることが
できるようになります。また、コケを減らすことで、水草を生き生きと育てることができるようになります。
まず、コケをなくすには、この関係を理解する必要があります。
水中には、ソイルから出た養分や、残ったエサから出た養分、魚のフンなどの汚れがたくさんあります。
そして、その養分や汚れを消費できなかった部分がコケになります。
栄養であれば、水草が成長するときに使い切ったり、水を交換したりすることで減らすことができます。
また、汚れも同様に水を交換したり、フィルターの力できれいにしたりすれば水中から減らすことができます。
ということは、そもそも水中の養分を増やさないようにするか、たくさん消費するようにすればよいということです。
これを理解したうえで、コケの原因となる具体的な要因を見ていきましょう。
【原因1】植えている水草が少なすぎる
まず1つ目に考えられるのは、「植えている水草の量が少なすぎる」です。
みなさんの水槽で植えている水草の量はどれくらいでしょうか。
下に敷いてあるソイルがほとんど見えている状態ではないでしょうか。
それだと水草の量が少なすぎます。
水草の量が少ないと、水中の栄養を消費することができません。
水草の量は「もうこれ以上植えるところがない」というところまで
ぎっしり植えてください。
できれば立ち上げの段階で、できるだけたくさん植えるのがいいですが、
水が入っている状態でも、ソイルが見えているところに水草を足して
あげるといいです。
具体的に、どんな水草入れればいいの?
対策① 成長の早い水草を入れる
パールグラスやグリーンロタラなど、有茎草(茎がある水草)は成長が早いです。
また、すぐに増えてボリュームが大きくなるため、栄養をたくさん消費します。
メジャーな水草ですので、扱っている熱帯魚ショップでも多いです。手に入れるのも
簡単なので、もしこれから水草を増やすのであれば、おすすめです。
≫初心者にもおすすめの育てやすい水草15選は≪も合わせてご覧ください。
対策② マツモやサルビニアなどの浮草を入れる
浮草も同様に成長が早く、栄養をたくさん消費するものが多いです。金魚やメダカの水槽でよく用いられるマツモや、サルビニアなどを入れるといいです。
ただし、育ちすぎてしまうと一番育てたい水草に照明が当たりづらくなってしまいますので
気を付けてください。
【原因2】ソイルの量が多すぎる
水草を植えるには、当然ですがソイルが必要です。ただし、入れすぎはいけません。
ソイルは「栄養系」「吸着系」の2種類に大きく分かれますが、水草を育てているので
あれば、栄養系のソイルをお使いのはずです。
ソイルをたくさん入れるほど、水中に染み出る栄養も増えることになります。
水槽に入れる時にはだいたい手前が2~3cm、奥が4~6センチくらいになるように
入れることが多いです。(流木や石などをたくさん入れる場合は、ソイルの量は減ります。)
これよりも厚くソイルを入れているのであれば、ソイルが多すぎる可能性があります。
対策① 入れすぎたソイルを吸い出す
もし、ソイルの量が多すぎたら、ホースなどで水と一緒にソイルを吸い出して量を減らしましょう。
その際、植えている水草がソイルから出てしまわないように注意してください。また、
前面に水草が植えられていて、ソイルを吸い出せない場合は、一度水草を抜いておいて植え直すか、次の方法で対策をしましょう。
対策② 水を入れ替える頻度や量を増やす
ソイルの量が多く、かつ減らすことができないのであれば、水を入れ替えて水中の栄養を
外に出してあげましょう。
特に、水槽を立ち上げたばかり時は水草がまだ育っていないので、水を入れ替える頻度を増やしてあげるとよいでしょう。
週に1度、半分の量を換えるよりは、3分の1程度を2日に1回のほうがいいでしょう。
ただし、茶色いコケが出ている場合は、換水のし過ぎもよくありません。
こちらで、詳しく解説していますのでご覧ください。→水槽の茶色い汚れ(茶ゴケ)はすぐに消える!?原因と対策について解説!
【原因3】照明が水草水槽に向いていない
原因の3つ目は「照明が水草育成用でない」ことです。
水草は成長していないと、コケがまとわりつき、さらに育たなく
さらに、水中の栄養を使うこともできなくなるので、またコケがつくという
悪循環になります。
水草を生き生きと育てるためには、水草育成用の照明が必要です。
熱帯魚を明るく照らすだけの照明とは違いますので、よく確認をしてみてください。
対策① 水草育成用の照明を買う
水草育成用の照明であれば、「ADA」か「アクロ」というメーカーのものがおすすめです。
ADAの製品は、通販では販売しておらず、限られたショップでしか買えませんが、
水草育成のための照明としては文句なしです。
値段は高いですが、デザイン性も高く人気の商品です。
一方、アクロは通販でも買うことができ、値段もADAよりも安いです。
水草を育成する力も高いです。デザインではややADAに劣りますが、
コスパもよいので、おすすめできます。
とりあえずこの2つのどちらかを選んでおけば、「照明が原因で育たない」ということはないでしょう。
【原因4】エサの量や回数が多すぎる
続いて考えられる原因は「あげるエサの量や回数が多すぎる」です。
魚がかわいいから始めはエサをたくさんあげたくなりますし、エサのパッケージ
には「1日に2~3回」と書いてありますが、これだとかなり多いです。
地面に落ちるエサや魚のフンで水が汚れ、そのぶんコケが生えやすくなります。
エサにも養分が含まれていますので、当然コケの原因になります。
じゃあどれくらいの量をあげればいいの?
対策① エサは2~3日に1回にする
エサは2~3日に1回でも十分です。水槽に入れている魚の数によって
量は変わりますが「30秒ですべて食べきる量」をあげればいいです。
10年以上熱帯魚を飼育していますが、それでも元気に育っています。
【原因5】フィルターの能力が弱すぎる
続いての理由は「フィルターの能力が弱すぎる」です。
水の汚れをきれいにする役目をするフィルターですが、フィルターの種類によっては、
能力が低いものもあります。
水中に汚れがたくさんあると、やはりコケの原因になりますので、フィルターがよくないと
コケが増えていくばかりです。
写真のような「外掛けフィルター」はセットの水槽によくついてくる一般的な
フィルターです。しかし、ろ過の能力は高くありません。
また、フィルターの中に入っている「ろ材」も重要になってきます。フィルターの中身がスポンジだけでは、汚れを取り切ることはできません。
ろ材が問題ということも大いにあります。効果的なろ材の順番や組み合わせは【外部フィルターおすすめ ろ材】水槽がピカピカになる!ろ材の順番や組み合わせについて解説!をご覧ください。
対策① 外部フィルターを購入する
水草をコケなく育てたいのであれば外部フィルターをおすすめします。
ろ過の能力が最も高く、レイアウトを崩さずにメンテナンスができるからです。
他のフィルターよりも値段が高いですが、コケなく育てるために必要なものです。
対策② フィルターの中身を変える
ろ過には「物理ろ過」という目に見えるゴミを取るろ材と、「生物ろ過」という
目に見えない汚れをきれいにするためのろ過があります。
ろ材にも同じように、何を目的としたものなのかという違いがあります。
コケの原因は「目に見えない汚れ」なので、「生物ろ過」を目的とした
ろ材が必要になります。
おすすめのろ材は、エーハイムの「サブストラットプロ」と「エーハイムメック」です。
【原因6】水をかえる頻度が少なすぎる
続いての原因は「水を換える頻度が少なすぎる」です。
適度な回数や量の水替えは、コケの増殖を抑えてくれます。
「水中の栄養が多すぎるなら、外に出してあげればよい」
という考え方ですね。
栄養は水草に使い切ってもらうこともできますが、水草が育っていない時には
外に出してあげるのがいいです。
また、水槽を立ち上げたばかりの時と、数か月がたった時では、水を換える量や回数も変わってきます。
対策① 積極的な水替えを行う
次の回数や水の量を目安に水替えを行います。ソイルや水草の量などによっても
変わるので、あくまで目安です。
立ち上げた時:毎日 3分の1の水を交換
1週間後 :2日に1回 3分の1の水を交換
2週間後 :1週間に2回 3分の1の水を交換
1か月後 :1週間に1回 3分の1の水を交換
「コケが多いな」と思ったら、もう少し水を替える頻度をふやしてあげましょう。
【原因7】照明をつけている時間が長い
コケは、長い時間光を浴びることが大好きです。もちろん、水草も光がなくては育つことはできません。
ただ、照明を点けている時間が「長ければ長いほどいい」というわけではありません。
10時間以上点けているのであれば、もう少し短くしてみることが必要です。
ライトをつけて、ずっと水槽を眺めていたいという方が多いので、朝から夜までずっとつけているという方もいますが、コケに悩まされている方は少し制限をしましょう。
対策① 点灯時間を7~8時間程度にする
タイマー機能があるスイッチを買い、7~8時間だけ照明を点けましょう。
短い時間でも十分に水草は育ちます。
また、できれば照明を切っているとき、他の光が入らないことが理想的です。
リビングなどに水槽を置いている場合には、できるだけ遮光をしてあげるか、
移せるのであれば、完全に暗くなる部屋に移すのがいいです。
【原因8】コケをとってくれるエビを入れていない
これは、根本からの解決というよりは、軽減するための方法ですが、
水草を育てる上では重要なことなので、お伝えします。
水草についたコケを人力で取り除くのは、至難の業です。かといってコケを
そのままにしておくと、水草がコケに覆われて成長しなくなってしまいます。
水草水槽を管理する上では、コケ取りのエビを入れることは必須なのです。
対策① ヤマトヌマエビかミナミヌマエビを入れる
コケ取りのためのエビは主に2種類です。
- ヤマトヌマエビ・・・体は大きく、コケをとる能力が高い。しかし、水槽の中でかなり目立つ。
- ミナミヌマエビ・・・コケをとる能力は低いが、小さくて目立たない。繁殖するので、自然と増える。
どちらもコケを食べてくれるエビなので、どちらを選んでもかまいません。あとは好みの問題です。ただ、コケを取るという能力だけで考えるならヤマトヌマエビがいいです。
あまりエビを目立たせたくないという場合は、ミナミヌマエビをおすすめしています。
詳しく知りたい方は ≫おすすめのコケ取り生体(エビ・貝・魚)≪をチェック!
ミナミヌマエビが全滅してしまう原因は水槽のエビが全滅!死因はベープ?!を
ご覧ください。
まとめ
以上水草が育たずコケまみれになる8つの原因と対策についてお伝えしました。
水草水槽の場合は、どれか1つだけではなく、いくつかの原因が重なってコケが増える
ことが多いです。
焦らず、少しずつ対策をしていくと自然に消えていきますので、ゆっくりと改善をしていきましょう。
ご覧いただきありがとうございました。
水槽のレイアウトの具体的なやり方については【簡単!ミスト式】キューバパールグラス(前景草)を失敗しないで育てる方法!をご覧ください!