水草水槽を完成させるための手順や注意点を、ステップ1~ステップ4までに分けて解説していきます。
今回は【ステップ1 事前準備や必要なもの編」です。
熱帯魚・メダカ・金魚メインの方や、少しだけ水草を入れてみたいと考えている方にも役立つと思いますので、ぜひお読みください。
メダカや金魚でも水草を入れるとカッコいいですからね。
このステップを読んでいくだけで初心者の方も水草水槽が完成できるようにわかりやすく解説していきます。
ちなみに、水草水槽歴13年になる私は始めは失敗ばかりで水草は跡形もなく枯れ、何回もコケだらけになったことがあります。

しかし、数々の失敗を経て、現在では毎日水草水槽を眺めて楽しむことができています。

気を付けるべきポイントをもとに、初心者の方でも失敗しない方法をお伝えしていきます。
今すぐ始めなくてもいいので、1つずつ進めていきましょう!
①水槽レイアウトを決める
まずは、ざっくりとどのような水槽レイアウトにしたいのかを決めていきましょう!
頭の中ではこんな感じで考えていくとよいでしょう。
- 緑の芝生があるとカッコいいなあ
- 魚がメインで、水草はちょっとあればいいかな
- 緑や赤のキレイな水草水槽がいいな
- 流木を使った森みたいな水槽がいいな
- 石を使った迫力があるレイアウトがいいな






ただ、こちらは考えていくうちに決まっていくこともありますので、始めからしっかりと決まっていなくても大丈夫です。
まずは水槽完成までの流れをつかんでいきましょう。
今回は、私が作成したこちらの初心者の方でも作りやすい水槽をベースに手順をお伝えします。

ちなみに、私はこの本を参考にしてイメージしています。初心者の方にはとてもわかりやすいのでおすすめです。
②飼いたい魚を選ぶ

また、飼いたい魚をあらかじめ選んでおくことで、水槽サイズを決めたり、水草も選びやすくなりますので考えておきましょう。
例えば、エンゼルフィッシュのような、中型の熱帯魚を買う場合には60㎝程度の幅があったほうがいいですし、グッピーを数匹飼いたいというくらいであれば、30㎝水槽でも大丈夫です。
そのため、あらかじめどの魚を何匹くらい飼いたいのかというのは決めておくほうが失敗は少なくすみます。
初心者の方は、小型の丈夫な魚がおすすめです。特にネオンテトラなどのカラシンの仲間や、グッピーなどは飼いやすいのでおすすめです。
特に飼いたい魚が決まっていない方は、こちらの記事で飼いやすい魚を紹介していますので、選んでみてください。
③水槽サイズを選ぶ
初心者の方の悩みとして多いのは「どれくらいの大きさの水槽を選べばよいかわからない」ということです。
個人的には、30㎝キューブか60㎝水槽がおすすめです!
置く場所があまりない方や、費用をできるだけ抑えたい方は30㎝キューブ水槽を選ぶとよいでしょう。
30㎝キューブ水槽は、サイコロのような形をしている水槽です。

30㎝水槽用のライトやヒーターなども多く売られており、道具に困ることはありません。
魚をたくさん飼いたい方や、本格的な水槽を目指したい方は60㎝水槽をおすすめします。

水槽の定番とも入れるサイズで、60㎝水槽に関連するアクアリウム用品もたくさんあります。
「初心者だから大きい水槽は・・・」と思われるかもしれませんが、実は水槽は大きいほうが管理しやすいです。
なぜかというと、水質の変化が少なく安定しやすいからです。
もちろん、掃除など大変な面もありますが60㎝水槽からスタートするのも全く問題ないと思います。
④水槽台の選び方

水槽サイズが決まったら、水槽台を選んでいきましょう。
できれば水槽台は使いたくないんだけどという方もいらっしゃると思いますが、できれば専用の水槽台を使用することをおすすめします。
専用の水槽台を使用するメリットは次の通りです。
- 水槽の重さに耐えられるため、壊れにくい
- 水がはねても、腐食しづらい
水槽はガラスだけでもそこそこの重さがありますが、水を入れるとかなりの重さになります。
一般的に次のような重さになります。
| 水量 | 水槽全体の重さ | 大きさ(cm) | |
| 20㎝キューブ水槽 | 約6L | 約9~11kg | 幅20×奥行20×高さ20cm |
| 30cm水槽 | 約12L | 約18~20kg | 幅30×奥行18×高さ24cm |
| 30cmキューブ水槽 | 約25L | 約30~40kg | 幅30×奥行30×高さ30cm |
| 45㎝水槽 | 約32L | 約45~50kg | 幅45×奥行24×高さ30cm |
| 60㎝水槽 | 約60L | 約70~90kg | 幅60×奥行30×高さ36cm |
| 60㎝スリム水槽 | 約30L | 約45~50kg | 幅60×奥行20×高さ25cm |
| 90㎝水槽 | 約170L | 約180kg | 幅90×奥行45×高さ45cm |
| 90㎝スリム水槽 | 約88L | 約180kg | 幅90×奥行30×高さ36cm |
これだけの重さに耐えられる家具は、実はあまり多くありません。
テレビ台などの多くは「約30kgまで」と表示されていますので、よほど小さい水槽でない限り、崩壊してしまう可能性があります。
一方専用の水槽台は、耐えられる重さも大きく、耐水加工がされているため、水はねによって木材や金属が腐ってしまう可能性も低いです。
このように、安全面で考えると水槽台はあったほうがいいです。
現在では、安くていい水槽台も売られています。
水槽台が崩壊してしまうと取り返しがつかないので、安くてもいいから専用の水槽台を使用することをおすすめします。
【30㎝水槽台】 【45㎝水槽台】
【60㎝水槽台】 【90㎝水槽台】
⑤フィルターを選ぶ

水槽の水をきれいにするためには、ろ過フィルターが必要です。
フィルターの種類によって、ろ過能力は大きく変わります。そのため、ここはいいものを選びたいところです。
しかし、初心者の方にとっては、どの種類を選べばよいかわからない方も多いです。
熱帯魚水槽で使用されるフィルターの種類は次の通りです。
価格もろ過能力も違いますし、メリットデメリットも違います。
ここでは、私がおすすめする2種類を紹介します。
本格的な水草水槽を作るのであれば、外部フィルター一択だと思っています。
CO2(二酸化炭素)を逃がさずに水草に光合成をさせることができるし、ろ過能力も高いからです。
一方、熱帯魚のみであれば外掛けフィルターがおすすめです。
ろ過能力はそこそこですが、安くてメンテナンスしやすいのが特徴です。
フィルターの中に入れるものによっては、ろ過能力を高めることもできるので、初心者の方にはおすすめできるフィルターです。
くわしく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
⑥底床を選ぶ

次に、水槽の底に入れる砂利や土を決めていきましょう。
「底床(ていしょう)」と呼ばれることもあります。
水槽の底に敷くものは大きく分けて次の種類があります。
| 底床の種類 | ソイル | 砂利 | 大磯砂 | ボトムサンド |
| 特徴 | ・土を固めたもの | ・人工的な細かい石 ・色合いがきれい | ・自然の砂利 ・粒の大きさ選べる | ・細かく柔らかい砂 |
| メリット | ・水草育成向き ・軟水にする | ・長持ちする ・交換しなくていい | ・長持ちする ・価格安い | ・コリドラスやドジョウ◎ ・水質変わらない |
| デメリット | ・粒が潰れやすい ・1~2年で交換 | ・水草× ・コリドラス× | ・水草△ | ・通水性△ ・舞い上がりやすい |
| 価格帯 (1kg当たり) | 400円~800円 | 300円~500円 | 200円~400円 | 300円~400円 |
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本格的に水草を育成するのであれば、ソイルがおすすめです。また、エビなどを飼育する場合にもソイルを使用することが多いです。
魚のみの水槽や、少しだけ水草を入れたいというのであれば、砂利や砂でもそこまで問題はありません。
水草水槽で前面が砂になっているものがありますが、初心者の方には少し難しいと思います。
まずは、一面ソイルから始めてみるとよいでしょう。
途中で一部だけ砂に交換することもできますからね。
ただ、コリドラスのように底にあるエサを食べる魚の場合は、口を傷つけないように砂などを使用してもよいでしょう。
底床の細かい選び方やおすすめの商品については、こちらの記事をご覧ください。
⑦水草を選ぶ

続いては、植える水草を選んでいきましょう。
まずは、初めに考えたざっくりとしたレイアウトを思い出してみてください。
もし、水草がモリモリと生い茂ったレイアウトがよいのであれば、有茎草(ゆうけいそう)と呼ばれる茎がある水草を選ぶとよいでしょう。
代表的なものとしては次のようなものがあります。
また、芝生のように地面を覆いつくすタイプの水草がよい方は次の水草がおすすめです。
また、基本的には水槽の手前は背が低い水草、奥のほうは背が高い水草になるようにするときれいにレイアウトすることができます。
難しいと思うので、ここでは私のおすすめの組み合わせについてお伝えします。
- 前景草・・・ニューラージパールグラス
- 中景草・・・ブリクサショートリーフ、ベトナムゴマノハグサ
- 後景草・・・グリーンロタラ、パールグラス
もしも、赤系の水草も入れたい場合には、後景草に「ロタラレデュッシュ」を入れてあげるのがおすすめです。
実際には、水質に合う合わないというものもあるので、まずは植えてみて、上手に育っているものを増やしてあげるのがよいと思います。
私の水槽でも、よく育つものと育ちにくいものがあります。
また、水草の中には「陰性水草」と呼ばれる強いライトやCO2がなくても育つ丈夫な水草もあります。

ただ、丈夫な一方で鮮やかな黄緑色や赤色というよりは、やや深めの緑色の種類が多いです。
ほんの少しだけ水草を入れたいという方には、陰性水草が育てやすくておすすめなので、そちらも検討してみるとよいでしょう。
陰性水草について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
⑧ライトを選ぶ

水草がキレイに育つかどうかはライトしだいです。
ライトを選ぶときに重要になってくるのが光束の「lm(ルーメン)」です。
lm(ルーメン)がある一定以上のものを選べば、水草はキレイに育ってくれることが多いです。
水草をどれくらい育てたいのかによりますが、およそこれくらいの光の強さが必要であるといえます。
本格的な水草水槽 | 陰性水草中心の水槽 | |
| 30㎝水槽 | 800lm | 500lm |
| 45cm水槽 | 2000lm | 1000lm |
| 60cm水槽 | 2500lm | 1200lm |
| 90cmスリム 水槽 | 3000m | 1500lm |
| 90cm水槽 | 5000lm | 2500lm |
ここまでをご覧になり、どれがよいか分からないという方も多いと思います。
初心者の方には、私は2つの種類をおすすめしています。
私もこちらの2つを使用しています。
1つめは「Chihiros シリーズ」です。
圧倒的な光の強さがあり、水槽がものすごくきれいに見えます。
また、水草もよく育ちますし、赤系の水草もしっかりと赤く色づきます。
価格が高いので手が出しづらいかもしれませんが、水草を育てたい方は買って後悔ないライトです。
スマホアプリで光の強さを調整したり、時間でON/OFFできたりする高機能ライトなので、迷っているのであればこちらを選んでみてください。
こちらで、使い心地について詳しくお伝えしていますのでご覧ください。
2つ目は「アクロ TRIANGLE VIVIDシリーズ」です。
こちらは、光の強さや時間設定をすることはできませんが、水草育成用ライトとしてコスパの高い商品です。
水草育成したいけれど、そこまで費用を掛けられないという方にはおすすめです。
熱帯魚のみの場合でも、魚の色がきれいに映りますので初心者の方にもおすすめのライトといえます。
⑨エアーポンプを選ぶ
水槽の中に酸素を取り込むためにエアーポンプ(ブクブク)が必要な場合があります。
必ずしも、エアーポンプがなければいけないというわけではありませんが、エアーポンプあったほうがメリットが大きいです。
例えば次のようなメリットがあります。
- 魚の酸欠を予防する
- バクテリアが増えて水がきれいになる
- 水の循環がよくなる
- 油膜が発生しにくくなる
ただ、場合によってはエアーポンプがなくても問題ない場合もあります。
- フィルターによって、水面に水が流れ込んでいる場合
- 水槽が大きく、飼っている魚が少ない場合
水面に水が流れ込んでいる場合は、酸素が取り込まれるためエアーポンプがなくても大丈夫です。
また、飼っている魚が少ない場合も消費する酸素の量は少ないため、エアーポンプがなくても大丈夫なことが多いです。
水草水槽の場合は、夜間に酸素が少なくなりますので、夜間だけエアーポンプを使用することをおすすめします。
こちらの記事でエアーポンプの必要性についてくわしくお伝えしていますので、ご覧ください。
⑩ヒーターを選ぶ

熱帯魚の飼育をする場合は、必ずヒーターを入れるようにしましょう。
ヒーターには主に3種類あります。
- オートヒーター
- サーモスタットとヒーターが別になっているタイプ
- サーモスタット付きヒーター
サーモスタットは、温度調整のダイヤルがついているものがほとんどで自分で温度を細かく設定することができます。
一方「オートヒーター」は、温度が固定されていてその温度まで自動で温めてくれます。(温度が高いものを下げる効果はありません。)
熱帯魚用のオートヒーターは26度に設定されているものを購入すれば問題ありません。
初心者の方の場合、そこまで温度を細かく調整することはほぼないので、安価なオートヒーターがおすすめです。
【30㎝用ヒーター】 【45㎝用ヒーター】
【60㎝用ヒーター】 【90㎝用ヒーター】
⑪カルキ抜き剤を選ぶ
水道水には、カルキ(塩素)が入っているため、そのままの状態では水槽に入れることができません。
魚が死んでしまいますからね。
そのため、通常はカルキ抜き剤を使ってカルキを消していきます。
カルキ抜き剤はいろいろな種類があるのですが、価格の安いもので十分です。
コスパのよいカルキ抜き剤はこちらの記事で紹介していますので、ご覧ください。
私はこちらのカルキ抜きを使用していますので、参考にしてみてください。
まとめ
以上ここまで【ステップ1 事前準備・必要なもの】についてお伝えしました。
ここまでで、結構大変だなと思われた方も多いと思います。
まずは、最低限のものだけ準備して、あとはつけ足していくようにすればよいのでそこまで気を重くしなくても大丈夫です。
このあと【ステップ2 水槽の立ち上げ編】をご覧になりこの後のイメージをつかんでみてください。


本格的な
陰性水草