この記事はこんな方のための記事です。
- グッピーとメダカを一緒に飼えるか知りたい
- 一緒に飼ったときの注意点が知りたい
- 稚魚はどうすれば育てられるかを知りたい
グッピーとメダカはどちらも人気のある魚です。
小型で見た目もかわいいし、丈夫なので初心者にもおすすめできる魚といえます。
私も最初はグッピーから飼い始めました。
今どちらかを飼っている人の中には「一緒に飼いたいな」と思う方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると一緒に飼うことはできます。ただ、注意しなくてはいけないこともあります。
この記事では、水槽歴13年になる私が初心者の方のために、グッピーとメダカを一緒に飼うためのポイントについてお伝えします。

グッピーとメダカは一緒に飼える(混泳は可能)
グッピーとメダカは同じ水槽で一緒に飼うことができます。
理由は次の通りです。
- どちらも性格が穏やか
- 体の大きさがほぼ同じ
- 適した温度が重なっている
ただし、いくつかの条件を整えないと、うまくいかないこともあるため注意が必要です。
ここでは、混泳ができる理由を3つのポイントに分けてくわしく解説していきます。
グッピーもメダカも性格は穏やか

グッピーもメダカも基本的には穏やかで他の魚に攻撃することは少ないです。
私が飼っているときも、攻撃されてしまうことはありましたが追いかけ回しているところはほぼ見たことがありません。
また、どちらもネオンテトラなど他の熱帯魚とも幅広く混泳できるので、一緒に飼うことができます。
ただ、縄張り争いで追いかける可能性もゼロではありません。
特に、どちらか片方の数が少なくなってしまうとその傾向がありますので、できれば同数くらいで買うほうがよいでしょう。
体の大きさもほぼ同じ

グッピー・メダカともに3~4㎝程度と、体の大きさが同じです。
大きさが違う熱帯魚は、小さい熱帯魚を攻撃することもあります。
例えば、エンゼルフィッシュなどは小さい熱帯魚を攻撃することがあります。
しかし、体格が同じ熱帯魚の場合、そこまで大きな争いにならないことが多いです。
適した温度が重なっている
耐えられる水温 | 適温 | 繁殖に適した水温 | |
グッピー | 18~30℃ | 22~28℃ | 23℃以上 |
メダカ | 0~38℃ | 20~26℃ | 25~27℃ |
グッピーは熱帯魚なので、水温が低いとすぐにダメになってしまいます。
一方でメダカは耐えられる水温の幅が広く、屋外でも飼うことができます。
冷たい水でも、お湯に近くても耐えることができます。
そのため、混泳させるのであれば水槽の水はグッピーの適温に合わせてあげるほうがよいでしょう。
24~26℃程度でお互いに適度な水温といえるので、熱帯魚水槽の中にメダカを入れるような感覚がよいでしょう。
混泳させるための飼育環境|水温・水質・水槽の広さは?
混泳が可能なことはお伝えしましたが、できればお互いにストレスなく元気に泳いでもらいたいですよね。
ここでは、上手に混泳させるための水温・水質・水槽サイズなどについてお伝えします。
水温管理のポイント|ヒーターは必要
24~26℃に水温を設定すれば混泳できますが、その場合は水槽用のヒーターが必須になります。
水槽用ヒーターは、水温を自動で検知して一定の温度まで温めてくれるものです。
水温を下げる機能はないので、夏場はクーラーなどで対応します。
初めてヒーターを買う方には「オートヒーター」という始めから温度が設定されている安価なヒーターをおすすめします。
水温を上下させることはあまりなく、オートヒーターでも繁殖はしますので問題なく使えると思います。
熱帯魚用のオートヒーターは「26℃」に水温を保ってくれますので、グッピーとメダカ、どちらにもちょうどいい環境にしてくれます。
こちらで、コスパのよいおすすめのヒーターを紹介していますのでご覧ください。



屋外ではグッピーは飼えない

メダカを飼育している方の中には、屋外の水槽や鉢で飼っている方も多いでしょう。
しかし、その場合はグッピーと混泳させるのは難しいでしょう。
主に「水温が一定に保てない」というところと「酸素が確保できない」ことが挙げられます。
屋外の水槽では水温の変化が激しく、ヒーターを入れたとしても暑すぎたり冷たすぎたりしてしまいます。
また、エアレーションなどがしづらいため水中の酸素が足りなくなってしまうことがあります。
丈夫なメダカであればもちますが、グッピーはダメになってしまう可能性が高いです。
水槽の大きさとレイアウトの工夫
メダカとグッピーをそれぞれ複数買おうという場合は、水槽サイズもある程度大きいほうがよいでしょう。
一般的な水槽サイズと熱帯魚の数は次の通りです。
水槽サイズ | 大きさ(㎝) | 水量 | 匹数 |
30㎝水槽 | 30 × 18 × 24 | 約10L | 8~10匹程度 |
30㎝キューブ | 30 × 30 × 30 | 約22L | 15~20匹程度 |
45㎝水槽 | 45 × 27 × 30 | 約30L | 25~30匹程度 |
60㎝スリム水槽 | 60 × 20 × 25 | 約27L | 20~25匹程度 |
60㎝水槽 | 60 × 30 × 36 | 約60L | 30~40匹程度 |
90㎝水槽 | 90 × 45 × 45 | 約155L | 100~120匹程度 |
例えばグッピー5匹+メダカ5匹=10匹と考えると、30㎝水槽でぎりぎりです。
小さい水槽にたくさんいると、縄張り争いがあったり、追いかけてしまう可能性が高まりますので、できれば大きめの水槽を用意してあげるとよいでしょう。
おすすめは45㎝~60㎝の水槽くらいの広さが管理しやすくてよいでしょう。
もしまだ水槽がないという方には、熱帯魚用のセットを購入すると楽です。


水質・pHの違いと水合わせのコツ
グッピーやメダカが飼える水資は次の通りです。
- 弱酸性~弱アルカリ性
- 軟水から中硬水
「水質」などと聞くと難しく感じますが、基本的に水道水をカルキ抜きすればどちらも問題なく飼うことができます。
また、水質は水槽の底に敷くもの(底床)の影響が大きいです。
そのため、底床は次のものをおすすめします。
- 大磯砂利
- ソイル
- 砂
この辺りを使っておけば問題なく飼うことができます。
底床の違いについては、こちらでくわしく解説しています。

また、フィルターは準備してください。
おすすめは「外掛けフィルター」という比較的安いフィルターです。
特にたくさんの魚を飼いたい場合、ろ過能力が低いフィルターだと水の臭いなどが気になってきますので、ご注意ください。
おすすめのフィルターはこちらです。

エアーポンプもあったほうがよい

水中の酸素が不足すると、魚はすぐに弱ってしまいます。
特に夏場は水温が高くなり、酸素が溶け込みにくくなるため注意が必要です。
そのため、できればエアーポンプを使って酸素を送り込むほうが安心です。
ただし、フィルターの種類や設置方法によってはエアーポンプなしでも大丈夫な場合があります。
ポイントは水面がしっかりと波立っているかどうかです。
水面がバシャバシャと揺れることで酸素が水中に取り込まれます。
たとえば、外掛けフィルターのように上から水が流れ込むタイプなら、その水流だけで酸素が供給されるため、エアーポンプなしでも飼育可能です。
エアーポンプなしで飼う方法については、こちらの記事でもくわしく解説していますので、あわせてご覧ください。

グッピー・メダカの混泳で気をつけたいこと エサや繁殖時の注意点
「混泳させる時にはエサは何を使えばいいの?」「繁殖もさせられる?」など、細かなところも気になりますよね。
ここでは、混泳させる時の注意点についてお伝えします。
餌の種類と与え方|食べ残し対策も大切

メダカは水面から中層あたりを泳ぐことが多い魚です。それに対してグッピーは、中層から下層あたりも泳ぎます。
そうするとエサの種類は何がいいのかという話ですが、通常のフレークタイプで問題ありません。

泳ぎのスピードもメダカのほうがやや遅い印象がありますが、エサが取られてしまうということは少ないでしょう。
もし、エサを与えていて食べられていない魚がいた場合は、顆粒タイプなども入れて底の方にいる魚に与えるという手もあります。
ただ、基本的にはフレークタイプだけで事足りると思います。
稚魚・卵が食べられないようにするには?

メダカは卵、グッピーは稚魚を生んで子どもを増やしていきます。
単体で飼育しても、大人の魚が卵や稚魚を食べてしまうことはよくあります。
そのためどちらも「隔離して育てる」しかないと思います。
グッピーの場合は、メスのお腹が膨らんだらサテライトなどで育てていきましょう。

サテライトは稚魚が安全に過ごすことができます。
メダカも卵が着いてからその水草などを別の水槽に移したり、メスのお腹が大きい段階で別の水槽に移してあげるほうがよいでしょう。
グッピーの稚魚を上手に育てる方法はこちらの記事をご覧ください。

隠れ家になる水草などがあるとよい
水槽に隠られれるところがないと、どちらかが追いかけられてストレスになってしまうことがあります。
そのため、できれば隠れ家になるものを入れてあげるといいでしょう。
隠れ家となるのは具体的に次のものです。
- 水草
- 流木や石
- 人工的なオブジェ
おすすめは水草です。水草には水をきれいにする力がありますしメダカの産卵場所になるからです。
カボンバやアナカリス・アヌビアスなど、初心者にも比較的育てやすいものもありますので入れてみるとよいでしょう。
追いかけやケンカが起きたときの対処法

グッピーとメダカは基本的に穏やかな魚ですが、ときには追いかけたり、小さなケンカのような行動が見られることもあります。
こうしたストレスが続くと、メダカが弱ってしまったり、病気になってしまう原因にもなるので注意が必要です。
対処法としてまずできるのは、「隠れ場所を増やすこと」です。水草や流木、シェルターなどを入れて、逃げ込める場所を確保してあげましょう。
また「グッピーのオスを減らし、メスを多めにする」ことで、追いかけの対象が分散されて落ち着く場合もあります。
ただ、グッピーはオスの方が見栄えがいいので、難しいところです・・・
それでも落ち着かない場合は、「グッピーとメダカを別々の水槽に分ける」ことも選択肢のひとつです。
隠れ家になるおすすめの水草やオブジェ
稚魚の隠れ家になる水草やオブジェを紹介していきます。
水草も育てやすいものとそうでないものがありますのでご注意ください。
おすすめの水草
水草によっては、強いライトがないと育たないものもあります。
そのため、初心者の方にはどんなライトでも比較的育ちやすい次の種類をおすすめします。
こちらの水草は安く手に入ることが多く、また丈夫なのでずっと水槽の中に入れておくことができます。
ぜひ試してみてください。
オブジェ
「水草を育てるのはちょっと大変そう・・・」という方は、人工物を置くことをおすすめします。
魚が隠れられたり、水流を避けたりしてストレスなく過ごすことができます。
また、水草と違って置くだけなので簡単です。
形はお好みなので、お気に入りのモノを選んでみてくださいね。
よくある疑問Q&A|交配や飼いやすさのちがいとは?
ここでは、よくある質問にお答えします。
グッピーとメダカは交配できるの?
グッピーとメダカは、見た目が少し似ている部分もありますが、全く違う種類の魚なので、交配はできません。
グッピーは「カダヤシ科」、メダカは「メダカ科」に分類されており、繁殖の仕組みも異なります。
そのため、水槽内で混泳させていても、異種間での繁殖は起こらないので安心してください。
どちらが初心者に向いている?
グッピーの方が温度管理や酸素の管理が必要なので、どちらかというとメダカのほうが簡単かもしれません。
メダカは丈夫で、屋外でも飼えるほど環境への適応力が高いため、手間をかけずに飼いたい方に向いています。
一方、グッピーはカラフルで見た目が楽しめる上に、繁殖も比較的簡単なので、「魚を増やしてみたい」という方にはおすすめです。
稚魚の育て方に違いはある?

グッピーとメダカでは、稚魚の育て方に少し違いがあります。
グッピーは卵を産まずに、親の体内である程度育ってから子どもを産む(卵胎生)ため、生まれた直後から比較的しっかりしています。
一方、メダカは卵を産み、水草や水槽内に産みつけられた卵がふ化するまで管理する必要があります。
また、どちらも稚魚は親魚に食べられてしまう可能性があるため、隔離ケースや水草で隠れ場所を作ることが大切です。
グッピー・メダカと一緒に飼える他の魚は?

グッピーやメダカはおとなしい性格なので、同じくらいの体格の熱帯魚や穏やかな性格の魚となら混泳が可能です。
たとえば、初心者に人気の「ネオンテトラ」「カージナルテトラ」「プラティ」などは一緒に飼いやすい魚として人気があります。
ただし、体が大きすぎる魚や攻撃的な魚(エンゼルフィッシュやアカヒレの一部など)は一緒に飼うことができません。
他の種類とは一緒に飼育しない方がいい魚などもいますので、そのような魚とは混泳させない方がいいでしょう。
一緒に飼えるおすすめの熱帯魚はこちらの記事で紹介しています。

エビは一緒に飼える?
一緒に買うことができます。ただ、こちらも温水を好みますのでヒーターなどの管理は必要です。
また、稚エビ(赤ちゃんのエビ)は食べられてしまうこともありますので、隠れ家をたくさん作ってあげる必要があります。

まとめ|グッピーとメダカを一緒に飼うならこれだけは守ろう!
ここまでをまとめます。
- グッピーとメダカは一緒に飼える
- 水温は24~26℃にする
- 水槽用ヒーターは必要
- 屋外では飼えない
- 稚魚は隔離する
- 隠れ家になる水草やオブジェを入れるのがおすすめ
グッピーとメダカはどちらも魅力ある魚です。
一緒に飼ってみることも無理ではありません。
もし難しそうだなと思う場合は、小さい水槽をもう1つ買ってあげるのも手です。
30㎝程度の水槽であれば2つ置いても問題ないため、検討してみるのもよいでしょう。