この記事は、こんな方のための記事です。
- 外部フィルターを使用する時に、エアレーションが必要か知りたい
- 自分の水槽でエアレーションが必要かわからない
- 外部フィルターを使ってエアレーションする方法を知りたい
外部フィルターはろ過能力がもっとも高いフィルターです。
また、水面を波立たせることが少ないため、添加したCO2を逃がさないという特徴もあります。
水草を育てている人にはぴったりのフィルターですよね。
また、ろ過能力が高いため金魚など大きめの魚を飼っている方にも重宝されています。
しかし、そんな外部フィルターですが意外と難しいのが「エアレーションをするかどうか」という問題です。
「ないと酸欠にならない?」と不安に思う方も多いでしょう。
そこでこの記事では、熱帯魚水槽歴13年になる私が外部フィルター使用時のエアレーションの必要性についてくわしく解説します。
この記事を読めば、ご自分の水槽にエアレーションが必要なのかを判断することができます。
まずはこの記事の結論からお伝えします。
- 水草水槽でCO2を添加している時はエアレーションをしてはいけない。
- CO2を添加していない夜間にエアレーションをすると効果的。
- 生体メインだったら常時エアレーションをしておくのがよい。
- シャワーパイプなどで、水面が波立っている場合はエアレーションはなくてもよい。
それではくわしく説明していきます。

外部フィルターでエアレーションが必要な場合とは
水槽の中に何を入れているか、どのようなレイアウトなのかによってエアレーションの必要性は変わってきます。
「本格的な水草水槽」なのか「生体メインの水槽」なのかという視点で、エアレーションが必要な場合を考えていきましょう。
水草水槽(CO₂添加あり)の場合

水草をしっかり育てるためにCO₂を添加している水槽では、基本的にエアレーションは不要です。
せっかく添加したCO2がエアレーションによって抜けてしまうからです。
イメージとしては、炭酸水をバシャバシャ振ってしまうようなもので、あっという間にCo2が抜けてしまいます。
そのため、CO₂を添加しているときはエアレーションをしないほうがよいでしょう。
夜間は酸素不足になる

では、水草水槽でCO2を添加していない夜間はどうでしょうか。
ライトが消えている時には水草は光合成を行わず、人間と同じように呼吸をします。
このとき水草は酸素を出さないので、水槽の中の酸素が徐々に減っていきます。
そのため、水草にとっても魚にとっても酸欠になりやすい環境となります。
そのため、ライトが消えている夜間については、エアレーションで酸素を補ってあげるほうがいいです。
水草水槽(CO₂添加なし)の場合

「水草を育てているけれど、CO2は添加していないよ」という方もいるかもしれません。
その場合は、CO₂が抜けてしまう心配がないので、24時間エアレーションをしていても問題ありません。
むしろ酸素を常に水槽に入れることができるので、生体にとってもプラスですし、少しですが水中にCO₂が溶け込むこともあります。
水草をゆっくりと育てたい方にはエアレーションを行うことはメリットしかないです。
ただ、本格的に水草を美しく育てたい場合には、CO₂を添加したほうが成長が安定するのでおすすめです。

生体メインの水槽の場合

もし熱帯魚や金魚など、生体をメインにしている水槽の場合は、魚が酸素をたくさん消費します。
そのため、生体メインの場合は常時エアレーションをしておくのがおすすめです。
水草がほとんどない水槽では酸素が発生しないため、エアレーションによって酸欠を防ぐことが生体の健康につながります。
とくに金魚や大型魚は酸素の消費量が多いため、エアレーションをして酸欠にならないようにしてあげましょう。
外部フィルターでエアレーションを行うメリット
また、そもそもエアレーションを行うのはどのようなメリットがあるのでしょうか。
バクテリアが活性化して水質が安定する

エアレーションは魚だけでなく、バクテリアにとっても必要不可欠です。
バクテリアは、水の汚れ(アンモニアなど)を分解して水をきれいにしてくれる微生物です。
バクテリアは酸素がたくさんあるほうが増えていくため、エアレーションを行うほうがよいのです。
つまり、水槽内の酸素が多いことで、バクテリアが増え水がきれいになるというK都です。

油膜を防いで水面がきれいになる

エアレーションの2つ目のメリットは「油膜がなくなること」です。
油膜は、バクテリアの死骸やエサの油分などの有機物が原因となって発生することが多いです。
この油膜はエアレーションで消すことができます。
エアレーションをすることで、水面が波打って循環させることと、バクテリアが増えて水をきれいにしてくれることで、油膜は消えていきます。
油膜があると、水面がギラギラとして汚く感じますので、もし油膜が出たらエアレーションを行うのも1つの手です。

夜間の酸素不足を防ぎ水草の成長を助ける

こちらは先ほどもふれましたが、水草の育成に関するメリットです。
水草は、夜間は酸素を取り入れて二酸化炭素を出す、人間と同じ呼吸の働きが大きくなります。
そのため、夜間に酸素があると、水草も健康に育つことができます。
水草育成をするときには、Co2だけでなく酸素もしっかりと与えてあげると、さらにきれいな水草になっていきます。
外部フィルターでエアレーションを行うデメリット
外部フィルター使用時に、エアレーションをするデメリットを整理していきましょう。
デメリットとしては次の通りです。
- Co2が抜けやすくなり水草育成に不利
- 水はねで周囲が濡れやすい
- エアレーションの音が気になることもある
- 騒音・水はねを抑える便利グッズ
Co2が抜けやすくなり水草育成に不利
先ほどからお伝えしている通り、CO2が抜けてしまうと、光合成が活発に行われないので、水草の育ちが悪くなります。
水草を育成していない場合や、CO2がなくても育つ水草を入れている場合には、それほど影響はないでしょう。
CO2がなくても育つおすすめの水草はこちらの記事をご覧ください。

水はねで周囲が濡れやすい
エアレーションをすると水面で気泡がはじけ、水槽回りが濡れてしまうことも多いです。
水はねを防ぐためにガラス蓋をしていたとしても、水滴がつくと汚れてコケがついて茶色くなってきたりしてしまいます。
蓋が汚れるとライトの効率も悪くなるため、1~2週間に1回くらいはきれいにしなくてはいけません。
ガラス蓋の掃除って、地味に面倒なんですよね・・・
水はねへの対策としては、部分的にガードするグッズがおすすめです。

写真のように、水槽の角においておくだけでエアレーションの水はねを防いでくれるので簡単です。
ガラス蓋とちがい、ライトもしっかりと水草に届きますし、簡単に取り外して水洗いできるのでメンテナンスも楽です。
外部フィルターを使用して夜間などにエアレーションを行うときには、こちらは重宝しますので試してみてください。
エアレーションの音が気になることもある
外部フィルターでは、水面が揺れないため、酸欠になりやすいとお話をしました。
水草がたくさんある水槽でも、夜間はエアレーションをすることをおすすめしています。
しかし、夜間のエアレーションは音が気になるという方もいるのではないでしょうか。
特に寝室近くに水槽がある場合は、エアーポンプの音が気になりますよね。
そのようなときは、音を軽減する方法がいくつかあります。
- エアーポンプを静かなものに替える
- 気泡が細かいエアーストーンに替える
エアーポンプも静穏性の高いものだと、思ったより静かになることがあります。
私はいくつか使用してみて、一番静かだったのは「水作 水心 sspp-3s」です。
これに替えたときは私は「かなり静かになったな」と実感がありました。
エアーポンプは消耗品なので、予備として持っておいても無駄になりません。
もし今あるエアーポンプがうるさい方はこちらも試してみてください。
また、気泡がシュワシュワとはじける音を軽減させるために、エアーストーンを交換するのも有効です。
気泡がこまかいと、はじける音も小さいので気にならなくなる場合もあります。
たとえば、Clscea DA100-JP エアーディフューザー エアーストーンは、気泡が小さいのでおすすめです。
私は、ディフューザーなどもClsceaさんのものを愛用しています。
こちらも気になったら試してみてください。
Co2ディフューザーの使い心地はこちらの記事でまとめていますので、ご覧ください。

外部フィルターでできるエアレーション方法
エアーポンプを使わないで酸素を供給する方法はないの?と考える方もいますよね。
私もできればエアーポンプを使わないで済ませたい派なので、そのような場合には次のようなことを行ってきました。
エアーポンプを使用したほうがメリットがある場合もありますので、参考までにお読みください。
シャワーパイプを水面に向けて波立たせる

外部フィルターの排出で多いのが「シャワーパイプ」です。
パイプに小さい穴が空いていて、勢いよく水が排出されます。
このシャワーパイプをどこに設置するかによって、エアーの量も変わってきます。
もし、エアレーション効果を最大にしたいのであれば、水面より高い位置にすることです。
こうすると、水が流れ込むときにバシャバシャと水面が波打ち、酸素が水中に取り込まれます。
もちろん、水はねや音は大きくなりますが、エアーポンプを使わないので水槽周りはすっきりさせることができます。
Co2を添加しているときはやらないでくださいね。
フローパイプで水面を揺らす

シャワーパイプよりはエアレーション効果は薄いですが、フローパイプで水面を揺らしていくと多少の酸素は入っていきます。
イメージとしては、水面ギリギリくらいに排出口をおいて、音がならないけれど水面がもこもこしているような感じです。
この方法であれば、音はならずに少しずつ水面を揺らすことができます。
その分酸素の量は少しになってしまうので、魚などの様子を見ながらやってみてください。
ちなみに私はこの方法で、夜間のみエアレーションをしていましたが魚や水草がダメになってしまうことはありませんでした。
ガラスパイプはおしゃれにも見えるので、おすすめです。
まとめ|水槽に合わせて効果的にエアレーションを
ここまでをまとめます。
- CO2を添加しているときはエアレーションをしない。
- 生体メインの場合は、常時エアレーションをしたほうがいい。
- シャワーパイプなどで水面を波立たせればエアレーション代わりになる
- 水はね・音の対策グッズもおすすめ
外部フィルターは、水中から水を排出することが多いため、酸素が取り込まれにくいフィルターです。
酸欠になりやすいので、エアレーションを行うことは生体にとってはとても大切です。
ただし、Co2添加時だけはエアレーションはしないようにしていきましょう。
ご自分の水槽の状況をよく判断していただき、効果的にエアレーションを行ってもらえるとよいかなと思います。
水はねや音対策はこちらのグッズを利用してみてください。安心してエアレーションを行うことができますよ。
