水草育成

【水草水槽の作り方 完成ガイド】Step2 水槽の立ち上げ編

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この記事では、初心者の方に向けて、水草水槽の基本的な作り方を解説していきます。

今回は「Step2 水槽の立ち上げ編」です。

これから水槽を購入する方など、水草水槽に必要なモノがまだそろっていないという方は【Step1 事前準備・必要なもの編】をご覧ください。

ちなみにこの記事では、初心者の方でも作れる下のような水槽をベースに、手順などを解説していきます。

この記事を書いている人はこんな人です。

①水槽の置き場所を決める

水槽台や水槽を購入したとき、どこに置くかはとても重要です。

もちろん、ご自宅の間取りなどによってかわりますが、できるだけ以下の条件に合ったところを探すとよいでしょう。

  • 直射日光が当たらないところ
  • 気温の変化が少ないところ
  • クーラーやヒーターの空気が直接当たらないところ
  • エアコンの真下ではないところ
  • 寝室の近くではないところ

直射日光が当たるところや、エアコンの風が当たるところは気温の変化が大きくなりますので避けたほうがよいでしょう。

日光でコケも生えやすくなってしまいます。

また、エアコンの真下は、水蒸気によってエアコン内にカビが生えやすくなりますので注意してください。

寝室の近くだと、モーター音や水の音が気になる場合がありますので、できれば離れているほうがよいでしょう。

すべての条件をクリアするのが難しい場合は、直射日光だけは避ける場所に置くのがおすすめです。

②流木や石などの配置を決める

水槽の置き場所が決まったら、いよいよレイアウトを考えていく段階に入ります。

水草を植えるだけでもそれなりにきれいになりますが、かっこいいレイアウトにしたい場合は、流木や石などを入れてあげるとさらによい水槽になります。

初心者の方におすすめなのは、レイアウトの用の流木を買って、ただ置くだけのレイアウトです。

流木が1つ入っているだけでもカッコいいです。

石でレイアウトを作るのもカッコいいのですが、経験が必要ですし水の硬度も上がってしまい、水質管理がやや難しいです。

それでも、石を使ったレイアウトを作りたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

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ここからは、初心の方にもおすすめの流木を使ったレイアウトについてお伝えしていきます。

まず、流木の選び方ですが初心者の方は、太いものよりも枝がたくさんついている物のほうが簡単だと思います。

水槽を始めたばかりだと「流木にお金を使うのはなぁ・・・」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかしお金をかけずに流木を拾ってきた場合、アク抜きをするなどかなり手間がかかりますし、農薬などが付着している場合もあり危険です。

購入した流木は水槽をリセットしても、次の水槽でも使用することができるので、1つは買っておいても無駄になりません。

ちなみに私はこちらの流木を2本購入してみました。もともとカッコいい流木なので置くだけでいい感じになります。

また、今回の水槽では流木にプラスして石も少しだけ使用しています。

今回は「溶岩石」という種類を使っています。流木を固定したり、見せたくない根元の部分に置くことにしました。

溶岩石は、水の硬度を上げないので水草育成にとっては易しい石です。

それでは、いよいよ流木の置き方を考えていきます。流木の配置の仕方はいろいろありますので、何回も繰り返して試していきます。

結局こんな感じの置き方にしようと決めました。

頭の中では、だいたいこんな感じの三角形をイメージしています。

(最終的にはちょっと変わりましたが)

まだ仮組なので、ソイルを敷いてから細かいところは決めていきます。

③ソイルを入れて石や流木を配置する

ここから、ソイルを敷いて実際に石や流木を配置していきます。

私はソイルを敷く前に、真ん中から奥にかけて軽石を置いています。

水槽の奥に軽石を入れることのメリットは次の通りです。

  • 高さを出すことができる
  • 水の通りがよくなる
  • ソイルを節約できる

ソイルは、手前が5㎝程度、奥が15㎝程度になるように傾斜をつけていきます。

ソイルの量はだいたい次の量だけ用意しておくとよいでしょう。

  • 30㎝水槽:3L程度
  • 30㎝キューブ水槽:5L程度
  • 45㎝水槽:7L程度
  • 60㎝水槽:10L程度
  • 90㎝水槽:25L程度

今回使用したのは、GEXさんの「水草一番サンド」です。

手前のソイルがまっすぐになっているほうがキレイに見えるので、ブラシや定規などでならしていきます。

そこに、流木や石を配置していきます。

右上が寂しい感じがしたので、流木を接着して枝を作りました。

今回は、ホームセンターなどで売っている接着剤を使用してみました。

ただ、接着剤は固まった時に白くなってしまい目立ってしまうものがあります。

そのため、アクアリウム用の接着剤を購入することをおすすめします。

つなぎ目の部分は、水草で隠せる位置なので「見えてしまってもよい」というくらいで接着しています。

流木や石の手前側を前景草、奥を茎のある後景草を植えるつもりで少し空けています。

④水草を購入する

レイアウトがある程度決まったら水草を購入するようにしましょう。

「初めから買っておいた方がよくない?」と思う方もいらっしゃると思います。

しかし、実際にやってみるとわかるのですが、流木や石を買っても、うまくレイアウトが決まらないことが多いです。

くら

悩んで1週間くらい放置することもあります。

初めに水草を買ってしまうと、水草が枯れる前にレイアウトを決めなければいけないため、焦って適当になってしまいます。

そうならないためにも、レイアウトが決まってから水草を購入することをおすすめします。

水草は、通販ショップやメルカリで購入することをおすすめします。

くわしくはこちらの記事をご覧ください。

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また【ステップ4 水草育成編】をご覧ください。(近日中に追加します!)

⑤水草を植える

水草を購入したら、いよいよ植えていきます。

水草を植える手順は次の通りです。

  • ソイルを霧吹きで濡らす
  • 水草を小分けにする
  • ピンセットで水草を植える

まずは水草を植えやすくするために、ソイル全体を霧吹きで濡らしていきます。

こうすることで、ソイルがパラパラと崩れてしまうことを防ぐことができます。

霧吹きは100均のものでも大丈夫です。

今回は、植えやすいようにあらかじめ流木を取り除いています。

続いて、購入した水草を小分けにしています。

今回購入した水草は次の通りです。

  • グロッソスティグマ(1カップ)
  • エキノドルステネルス(10株)
  • オーストラリアンノチドメ(1パック)
  • ミクロソリウムプテロプス(3ポット)
  • アヌビアスナナ・プチ(5株)
  • パールグラス(1パック)
  • ロタラレディッシュ(15本くらい)
  • アルテルナンテラ レインキー ミニ(1カップ)
  • ブリクサショートリーフ(3株)

今回はcharmさんの通販で購入しました。

グロッソスティグマ

組織培養のグロッソスティグマは、下のゼリー状の部分を水道水で洗い流して取り除きます。

そのあとは、手で少しずつほぐして2㎝角くらいの大きさにしていきます。

エキノドルステネルスは、ほぐしていくと植えやすくなります。

水槽手前の部分(前景)はグロッソだけでもよいのですが、試しにエキノドルステネルスも石の近くに植えてみました。

オーストラリアンノチドメも、ほぐして植えていきます。

しかし、こちらは立ち上げの途中で枯れてしまいました。

活着する「アナビアスナナ・プチ」や「ミクロソリウム」は石に固定していきます。

アヌビアスナナ・プチは流木や石に接着剤でくっつけました。

活着方法や、育て方をくわしく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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ミクロソリウムは小さめの溶岩石にビニールテープで巻いていきます。

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これで、あとで好きなところに配置することができます。

手前のグロッソから植えていきます。

水草を植えるのはどこからでも大丈夫なので、植えやすいところから植えていきましょう。

流木の後ろには、赤系水草のロタラレディッシュを植えていきます。

今回は、こちらが水槽のメインになるようにしました。

上から見ると、このように植えています。

アルテルナンテラレインキーミニも中景として植えました。

⑥水槽に水を入れる

水草を植え終わったら、水を入れていきます。

この時、水の勢いでソイルが崩れてしまわないように気を付けてゆっくり入れていきましょう。

ソイルの上に、ビニール袋やアルミホイルなどを置き、その上にゆっくりと水を垂らしていくと崩れずに済みます。

くれぐれもバケツでバシャッと入れないようにしていきましょう。

ちなみに、今回は水を入れたら流木が浮いてきてしまいましたので、数日間重しとして石を載せています。

1週間程度で水を吸い、浮かなくなりました。

また、石に巻き付けたミクロソリウムを流木の根元に置いています。

今回は水草を植えてからすぐに水を入れる一般的な方法で育成しますが「ミスト式」という方法も一般的です。

「ミスト式」は、水を入れずに霧吹きをしてラップをかけて密封し、育てていく方法です。

コケが出にくく、育てるのも簡単なのでこちらの方法をご覧ください。

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⑦ろ過フィルタ―・ヒーターを設置する

レイアウトが決まって、水草を植えたら水を入れたら、まずはろ過フィルターを設置して水を循環させていきましょう。

水草育成に向いている外部フィルターを使用していきましょう。

私は外部フィルターの「エーハイム2215」を使用しています。

ろ過能力が高く、人気の高いフィルターです。

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ろ過フィルターを回すのは、ろ材にバクテリアがつきやすくするのと、水の循環をよくするためです。

また、水草は冷水では育ちにくいので、ヒーターを設置して水温を上げていきます。

私が使用しているのは「ジェックス セーフカバーオートヒーターSH160」です。

⑧ライトやCO2添加セットを設置する

立ち上げ時から水草がよく育つように、ライトやCO2添加セットを設置していきましょう。

ライトの点灯時間やCO2添加の量については【Step3 水草の育て方】にて詳しく解説していきます。

ちなみに私が使用しているライトは「ChihirosWRGB60」です。

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また、Co2添加セットはcharmさんのCO2フルセットを使用しています。

もう1つの水槽では、化学反応式の「Clscea ジェネレーターG600S」を使用しています。

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⑨水草をしっかりと育てていく(注水後の様子)

ろ過フィルターを回してから、1週間程度すれば、魚を入れることは可能です。

ただ初心者の方は、まず1か月程度は水草育成のみを行うのがよいと思っています。

魚が入ってしまうと「水草」と「魚」の両方を管理しなければなりません。

特に、立ち上げ時期は水質が安定しないため管理が難しい時期です。

そのように考えると、水草がある程度育って水質が安定してきてから魚を入れてあげるほうが安全であると思います。

ここからは、ある程度水草が育った後、魚を入れるところまでの手順についてお伝えします。

【8月14日(注水直後)】

【8月24日(10日後)】

【9月6日(2週間後)】

茶ゴケが出てきました。立ち上げ直後は、茶ゴケは出るものだと思っておきましょう。

【9月13日(3週間後)】

アオミドロも出てきましたので、ヤマトヌマエビを20匹ほど投入しました。

【10月18日(約2か月後)

ヤマトヌマエビがコケを食べてくれたので、およそきれいになりました。

(水草やコケの様子が分かりやすいように、バックスクリーンを外しました。)

【10月26日(約2か月後)】

水草がある程度育ってきたので、お魚を迎えました。(レッドグラミーなど)

【11月1日(約2か月半後)】

【11月17日(約3か月後)】

【11月24日(約3か月後)

【注水前との比較】

注水前
3か月後

本当は三角構図にしたかったのですが、右奥に植えたパールグラスの生長がいまいちだったので、そのままにしています。

ここでひとまず完成とします。

ここからまた水草を足したり、トリミングをしたりして形を整えていきます。

⑩水槽内にバクテリアを増やす

ここまで、水草水槽の立ち上げについてお伝えしてきました。

水草がある程度育ってきたら、魚を入れることになるのですがここでは、魚を入れる前に必要な「バクテリア」についてお伝えします。

立ち上げ時には、このバクテリアを増やすということがとても重要になってきます。

バクテリアは、目に見えない水の汚れを分解してくれる微生物です。

バクテリアは、ろ過フィルターのろ材や、底床の中、水の中に住み着いて増えていきます。

このバクテリアが多い水槽は、水のにおいもなく、魚や水草にとって住みやすい水槽ということになります。

逆に、バクテリアが少ない水槽は、魚にとって有害なアンモニアなどが残ったままになってしまい、ドブのような臭いがしたり、魚がすぐに死んでしまったりします。

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水道水にはバクテリアはいませんが、水槽に水を入れてから1週間程度経つと少しずつ増えてきます。

通常は水槽に水を入れてから1週間程度経たないと、魚を入れることはできないのです。

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⑪パイロットフィッシュを入れるのもおすすめ

パイロットフィッシュは、水槽のはじめに入れる丈夫な魚のことをいいます。

パイロットフィッシュを数匹入れてあげることで、アンモニアが増え、それをエサのようにしてバクテリアも増えていきます。

飼いたい魚をすぐに入れると、死んでしまうリスクも高いです。

そのため、まずは丈夫なパイロットフィッシュで水槽の水をよくしてから、入れるというのが安全なやり方です。

パイロットフィッシュで代表的なのは「アカヒレ」です。

見た目もきれいで安いため、パイロットフィッシュとしてぴったりです。

アカヒレを2~3匹入れて1週間程度フィルターを回し、アカヒレが元気であれば、一番飼いたい魚を入れてあげると安心です。

⑫魚やエビの水合わせをする

水を入れてから1週間~2週間程度たったら、いよいよ魚を入れていきます。

この時に行うのが「水合わせ」です。

水合わせは、「お店の水槽の水」と「自宅の水槽の水」を少しずつ混ぜていくようなイメージです。

買ってきた魚を、いきなり自宅の水槽に入れてしまうと、環境の変化に対応できず数日のうちに死んでしまうことがほとんどです。

そのため、少しずつ魚を自宅の水槽に慣れさせていくことが必要です。

一番魚に取って優しく、おすすめなのが「点滴法」というやり方です。

買っていた魚を水事バケツにうつし、そこに自宅の水槽の水をぽたぽたとたらしていくやり方です。

点滴法は魚にとって負担が少なく、もっとも安全な方法といえます。

点滴法は安めのチューブを使用すると簡単です。くわしくはこちらの記事をご覧ください。

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袋のまま、中身の水を少しずつ交換していく方法もありますので、チューブを購入するのが嫌な方は、そちらの方法で水合わせをして下さい。

まとめ

この記事では、主に次のことについてお伝えしてきました。

  • 流木レイアウトの構図の決め方
  • 水草の植栽の様子
  • 水草が育っていく様子の変化
  • 熱帯魚を入れるまでの準備
  • 水合わせの仕方

立ち上げの様子をお伝えしてきました。

この後は、水草と熱帯魚を元気に育てていく、管理していくことになります。

【Step3 水草育成編】では、水草を育てるために必要なことをお伝えします。

【Step4 熱帯魚飼育と水槽管理編】では、熱帯魚の育て方を中心に水槽の管理をお伝えしますので、ぜひご覧ください。

立ち上げは一番楽しい部分でもあり、大変なところでもあります。

コケが生えたり、白く濁ったり、油膜ができたりトラブルが起きやすいです。

コケやトラブルの対策に関しては【Step5 コケ・トラブル対策編】で紹介しますので、こちらもご覧ください。

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