この記事では、初心者の方に向けて、水草水槽の基本的な作り方を解説していきます。

今回は「Step3 水槽育成編」です。
ここまでの準備や立ち上げの仕方についてはこちらをご覧ください。
- 【Step1 事前準備・必要なもの】
- 【Step2 水槽立ち上げ】
- 「Step3 水槽育成編」←今回の内容
- 【Step4 熱帯魚育成】
ちなみにこの記事では、初心者の方でも作れる下のような水槽をベースに、手順などを解説していきます。





この記事を書いているのはこんな人です。
- 熱帯魚・水草水槽歴13年
- 今までに30種類近くの魚を飼育
- 好きな熱帯魚はグリーンネオンテトラ
- ⇒くわしい運営者情報はこちら


水草を育てるために必要な5つのこと


まずは、本格的に水草を育てるために必要な基礎からお伝えしていきます。
水草育成に必要なものは次の5つだと考えています。
- 高光量のライトを使用する
- ライトの点灯時間を一定にする
- CO2を多めに添加する
- 栄養をしっかり吸収させる
- ヤマトヌマエビを入れる
それでは、くわしく解説していきます。
①高光量のライトを使用する


水草を育てる大前提として、やはり高光量のライトを使用することがもっとも大切です。
ほかの環境がいくらよくても、ライトが悪ければ水草をきれいに育てることはできません。
Step1の準備編でもライトを選ぶ目安についてお伝えしましたが、水草育成にも必要なことなのでお伝えします。
一般的に水草育成に必要な光量は次の通りです。
![]() ![]() 本格的な 水草水槽 | ![]() ![]() 陰性水草 中心の水槽 | |
| 30㎝水槽 | 800lm | 500lm |
| 45cm水槽 | 2000lm | 1000lm |
| 60cm水槽 | 2500lm | 1200lm |
| 90cmスリム 水槽 | 3000m | 1500lm |
| 90cm水槽 | 5000lm | 2500lm |
これくらいの光量があるライトであれば、しっかりと水草が光合成を行い、生長するのが早くなります。
また、高光量のライトを使用しないと赤系水草がきれいな赤色になりません。
ただ、強いライトはコケが生えやすくなりますので、その調整をしていくことも必要になります。
②照明の点灯時間を一定にする


照明は、1日の中で8〜10時間程度点灯させておくのがおすすめです。
水草にも生活リズムがあるため、タイマーなどを使って毎日同じ時間に点灯・消灯するように管理していきましょう。
また、タイマーにはアナログ式のものもありますが、私はスマートプラグをおすすめしています。


また、8〜10時間という目安は正解というわけではなく、水槽や水草の状態によって多少変わります。
水草がまだ育っていない立ち上げ初期に、いきなり10時間以上点灯させてしまうと、コケが一気に増えてしまうことがあります。
そのため、立ち上げ期は7時間程度に抑え、水草の数が増えてきたタイミングで、1時間ずつ延ばしていくのがおすすめです。



水草が増えるとコケが生えにくくなりますからね。
コケの付き方としては、1週間でガラス面にうっすら付くくらいであれば普通です。
もし2〜3日でガラス面が緑色になるようであれば、点灯時間を少し短くして様子を見てみましょう。
③CO2添加をしっかり添加する


水草を育てるときには必ずCO2を添加していきましょう。
CO2を添加させずに、育てている方もいらっしゃいますが、初心者の方には添加をおすすめします。
「CO2を添加する」と聞くと少しハードルが高く感じますが、CO2を添加しないで育てるのはかなり難易度が高いです。
CO2を添加する方法はいくつかありますが、私はこの2つの方法をおすすめしています。
- 小型ボンベ式CO2
- 化学反応式CO2
どちらも初期費用はかかりますが、一度セットしてしまえば、そこまで難しくはありません。
| 方法 | 小型ボンベ式![]() ![]() | 化学反応式![]() ![]() | 大型ボンベ式 (ミドボン) ![]() ![]() | 発酵式![]() ![]() | 簡易ボンベ式![]() ![]() |
| 初期費用 | 約17000円 | 約12000円 | 約25000円 | 約1800円 | 約1300円 |
| ランニング コスト | 月:約500円 | 月:約100円 ~300円 | 月:約50円 | 月:約50円 | 月:約2000円 |
| 時間管理 | できる | できる | できる | できない | できない |
| 量の調整 | できる | できる | できる | できない | できない |
| 大きさ (収納) | |||||
| 特徴 | ○場所取らない ▲ランニングコストかかる | ○ランニングコストやや安い ▲場所を取る | ○ランニングコスト安い ▲収納場所困る | ○初期費用安い ▲量・時間の調整できない | ○設置が簡単 ▲ランニングコスト高い |
| Amazon | Amazonで見る | Amazonで見る | Amazonで見る | Amazonで見る | |
| 楽天 | 楽天で見る | 楽天で見る | 店舗のみ | 楽天で見る | 楽天で見る |
| Yahoo! | Yahoo!で見る | 取り扱いなし | 店舗のみ | Yahoo!で見る | Yahoo!で見る |
こちらの記事で、CO2の添加方法についてはくわしくお伝えしていますので、ご覧ください。




CO2の添加量の目安


CO2の添加方法がわかったら、次はどれくらい添加するかを考えていきましょう。
水槽では、CO2の添加量を「1秒2滴」「1秒で3滴」のように数えることが多いです。
この「〇滴」というのは、カウンターやディフューザーで数えます。
このプクプク1つを1滴と数えます。なお、こちらはディフューザーでカウントした場合の動画です。
少なすぎると水草の光合成の量は落ちてしまいますし、多すぎると酸性になりすぎてしまって魚や水草にとってよくありません。
およそ、下の量くらいが目安になります。
| 水槽サイズ | 添加量の目安 |
| 30㎝水槽 | 2~3秒に1滴 |
| 30㎝キューブ | 2秒に1滴 |
| 45㎝水槽 | 1秒に1~2滴 |
| 60㎝水槽 | 1秒に2~3滴 |
| 60㎝スリム水槽 | 1秒に1~2滴 |
| 90㎝水槽 | 1秒に3~4滴 |
やはりしっかりと多めに添加してあげるほうが水草の調子も上がるので、量を調整していくことが大切です。
ちなみに、私が使用しているディフューザーはこちらです。


使いやすく泡も細かいので、初心者の方でもおすすめです。
④水草に必要な栄養


水草は植物なので、地上の植物と同じように「窒素・リン・カリウム」といった栄養を吸収して育ちます。
これらが不足すると、新芽が小さくなったり、根が張らずにヒョロヒョロと育ってしまうことがあります。
ただし、栄養分を含んだソイルを使用していて、魚も飼っている水槽であれば、窒素やリンはフンやエサの残りから自然に補われるため、大きく不足することはあまりありません。



窒素・リンはどちらかというと多くなりがちです。
一方で、カリウムは水槽内で自然に増えにくい栄養です。
そのため、カリウムは意識的に添加してあげたほうが水草の育ちはよくなります。
液体の栄養剤は、液体タイプ(液肥)と固形タイプがありますが、初心者の方には量を調整しやすい液肥のほうが扱いやすいでしょう。
⑤ヤマトヌマエビを入れる


水草育成において、ヤマトヌマエビを入れるのは必須だと考えます。
ヤマトヌマエビは、水草や流木などについてコケを食べてキレイに保ってくれるからです。
例えば、こちらをご覧ください。石や水草にびっしりコケが生えてしまっています。




これは人間の手では取り切れませんね。
ここにヤマトヌマエビを入れて3日後たった水槽がこちらです。


まだ少しコケが残っていますが、かなりキレイになりました。
この通り、ヤマトヌマエビはコケを食べて水槽をきれいにしてくれます。
特に水草水槽はコケが取りづらいですから、エビの力を借りることが必要になります。
ヤマトヌマエビの数は、だいたいこれくらいです。
| 30㎝水槽 | 2~4匹程度 |
| 45㎝水槽 | 5~8匹程度 |
| 60㎝水槽 | 10~20匹程度 |
| 90㎝水槽 | 20~40匹程度 |
コケが多いときはやや多めに入れるだけできれいになりますので、試してみてください。
くわしい解説はこちらの記事でお伝えしています。


水草を増やす方法


水草を植えても、はじめのうちはスカスカな感じがすると思います。
最終的には、水草がたくさん生い茂った水槽を目指していくとなると、ある程度のボリュームが必要になってきます。
ボリュームを出すための方法はいくつかありますが、基本的にはトリミングと差し戻しで増やしていくことになります。
水草をトリミングして増やす


トリミングは、水草をカットすることをいいます。これを聞くと「なぜカットすると増えるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
水草は、カットしたところから増えるからです。
水草の生命力はすごいもので、切られたところから、いくつかの芽が出てきます。
切る前の部分の茎は1本なのに、その先は2本以上に増えてくるということです。


そのため、何回かトリミングを繰り返していくと、枝分かれをしていくので、上部は水草が茂っているように見えるのです。
水草を差し戻して増やす


トリミングすることのメリットは、枝分かれすること以外にもう1つあります。
それは、カットした先端を植えてさらに増やすことができることです。
この、カットした先の部分をソイルに植え直すことを「差し戻し」といいます。


トリミングと差し戻しを2~3回繰り返すことで密度はかなり大きくなっていきます。
せっかく育った水草をカットしていくのは、始めは抵抗があるかもしれません。
しかし、水草を健康に増やしていくためには必要なことなので、チャレンジしてみてください。
トリミングでよくある失敗
トリミングでやりがちな失敗は、先端の方だけ切ってしまうことです。


枝分かれさせるためには、思ったよりも根本に近いほうを切らなくてはいけません。
そうすることで、また枝分かれしたところを切ることができ、どんどん密度が増えていきます。


しかし初めての時は「こんなに切ってしまって大丈夫かな・・・」と不安に思ってしまいます。
始めに先端だけ切ってしまうと、枝分かれするところが少なく、密度が薄くなってしまうので注意が必要です。
トリミングする時は、少し思い切って下の方で切ると、うまくいくことが多いです。
水上栽培で増やす方法もある
水槽内で増やす以外にも、水上栽培で水草を増やしておくこともできます。
水上栽培でストックしておけば、いざという時に水草を買わなくて済みますのでおすすめです。
ここでは、2つの方法を紹介します。
まずは、通常の植物と同じように育てる方法です。


100均で買った容器などに、土を入れていきます。こちらは水草用のソイルでも、植物用の土でも大丈夫です。
湿っているほうが植えやすいので、少し水を入れて湿らせておきましょう。


水草をほぐして、隙間があるくらいで植えていきます。ピンセットなどがあると植えやすいです。


日光が当たる窓際やベランダなどに置いておきます。気温が低い冬場などはラップなどを掛けておくと保温になります。


後は1~2か月待てば、通常の植物と同じように増えていきます。
水槽に使う時には、土を洗って数本ずつまとめて植えてあげるとよいでしょう。
室内でガラス容器で増やすこともできる


屋外に置いておくことができない場合は、ガラス容器などで室内で増やすこともできます。
手順は同じように、余ったソイルなどを入れ湿らせてから水草を植えます。


蓋をして、窓際などに置いておきます。ソイルが乾かないように2~3日に1回位蓋を開けて、霧吹きなどで湿らせてあげるとよいでしょう。


数週間でこれくらいの量に増やすことができますので、おすすめです。
水草の種類ごとの育て方


水草とひとことで言っても、種類によって育て方のポイントは少しずつ違います。
強い光やCO2が必要な水草もあれば、ライトが弱くても元気に育つ水草もあります。
ここでは主に「前景草」「赤系水草」「陰性水草」について、それぞれの特徴と育てるときのコツを分かりやすく解説していきます。
前景草の育て方


前景草(ぜんけいそう)は、水槽の手前側に植える背が低い水草です。
上手に育てると芝生や草原のようになるので人気があります。
しかし、コケにやられてしまったりうまく育たなかったりして、初心者の方には意外と難しい水草ですので、注意点をお伝えします。
前景草として使用させるのは主に次の種類です。
- グロッソスティグマ
- ショートヘアーグラス
- ニューラージパールグラス
- キューバパールグラス
- オーストラリアンノチドメ
- エキノドルス・テネルス
この中で、初心者の方にもおすすめなのは「グロッソスティグマ」「ニューラージパールグラス」「ショートヘアーグラス」です。


こちらは、強いライトとCO2が必須です。



逆に言えば、それさえあればしっかりと育ってくれます。
8時間程度の点灯と多めのCO2を添加するようにしてください。
また、立ち上げ時には「少し多いかな」くらいの量を植えることも大切です。


始めに少なくしてしまうと、ソイルの栄養を消費できずに、コケだらけになってしまうことがあります。
立ち上げ時に枯れてしまうことが多いため「ミスト式」という方法を使うこともおすすめです。
ミスト式についてはこちらの記事でくわしく手順を解説しています。


赤系水草の育て方
赤系水草をしっかりと赤くするのは、なかなか難しいです。
しかし、初心者の方でも赤くする方法は次の通りです。
- 赤くなりやすい種類を選ぶ
- CO2を多めに添加する
- ライトの照明時間を長めにする
- 鉄分など栄養をしっかり添加する
赤くなりやすい品種として、私はロタラレディッシュをおすすめします。
きれいな赤になりやすいので初心者の方でも育てやすいと思います。
また、CO2を多めに添加したり点灯時間を9時間以上にすることで、赤くなっていきます。


また、鉄分を添加することで赤くなりやすいので、赤くならなくて困っている方はこちらを添加してみるのもおすすめです。
陰性水草を育てる


ライトが弱くても、CO2がなくても育つ「陰性水草」という種類の水草もあります。


今回の水草水槽でいうと、ミクロソリウムナローリーフやアヌビアスナナ・プチがそれにあたります。
陰性水草は光が弱くCO2がなくても育ちますが、もちろんあったほうがよく育ちます。
育て方についてはこちらをご覧ください。


そのため、水草水槽においては「他の水草の影になる部分」に配置するのがおすすめですが、あとは通常の水草と管理の仕方は変わりません。
陰性水草のほうが、活着する種類が多いため、活着させて増えてきたら別の場所に付け直しながら増やしていくのがよいでしょう。
まとめ


水草育成に必要なことを御伝えしてきましたので、ここまでをまとめます。
- 高光量のライトは必要不可欠
- 点灯時間を一定にする
- CO2は多めに添加
- 窒素・カリウム・リンを添加をする
- ヤマトヌマエビでコケ対策をする
- トリミングと差し戻しで増やす
- 種類に合った育て方をする
水草育成はかなり奥が深いです。
しかし、今回お伝えしたことを行えば大きな失敗はしないと思います。
水草がキレイ育った水槽を眺める時間はとても楽しいので、ぜひチャレンジしてみてください。
- 【Step1 事前準備・必要なもの】
- 【Step2 水槽立ち上げ】
- 「Step3 水槽育成編」←今回の記事
- 【Step4 熱帯魚育成】















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