この記事はこんな方のための記事です。
- 初めて山岳レイアウトを作ってみたい
- 自分の水槽でもできるか知りたい
- 水草をきれいに育てたレイアウトにしたい
水草水槽のレイアウトの1つとして「山岳レイアウト」があります。
石を積み上げて高さを出す構成や、前景草を使うことから意外と難しいレイアウトです。
できると最高にカッコいいんですけどね。
そこで、初心者の方のために水草水槽歴13年の私が、山岳レイアウトの作り方をお伝えします。
実際にやっているといろいろとミスしているところがあるのですが、ミスを含めて作り方などをお伝えしていきたいと思います。
なお、私もまだまだ試行錯誤している段階なので、少しでもお役に立てれば嬉しい限りです。
完成した山岳レイアウトはこちらです。
ヒーターが変なところにあってすみません・・・。


なお今回は、ミスト式という水を入れる前に前景草を育てる方法で行っています。

山岳レイアウトの作り方(手順)
まずレイアウトを作成した手順について解説していきます。
始めから最後までのイメージがあったほうが、準備する物も分かると思います。
準備する物などは最後にお伝えしていきますね。
ソイルを入れる前に底上げをする
山岳レイアウトは、奥に行くにつれて高さが出るようにしなくてはいけません。
すべてソイルではかなりの量が必要になりますし、入れすぎると栄養過多になってしまうこともあります。
そのため、ソイル以外のモノを底に敷いてかさ増ししていく必要があります。
今回は、軽石がネットに入ったものを並べていきました。

また、石を置いていくときにガラスが傷ついてしまわないようにフィルタースポンジを置き、その上に石を置きました。
軽石の上に石を置くときに、安定しなかったのでプラスチックの板を敷きました。
これは、なくてもいいですが今回は試しに置いてみました。

スポンジはだいぶ使って古くなったものを使いました。
ガラスの上に直接石を組んでいく方もいらっしゃいますが、割れてしまうのが怖いのでウールマットやソイルなどを敷いて、その上に置いていくのがおすすめです。
この上に、ソイルをザバーっと入れていきました。手前の厚さは5㎝くらいになるように入れました。
軽石以外の底上げの仕方はこちらを参考にしてください。

石を配置していく

遠近感を出すため、あえて手前に大きめのメインになる石を置いています。
真ん中は道になるようにしたかったので、空けておきました。
メインの石の後ろに、ソイルを入れて、その上にまた石を組む。
その後ろにソイルを入れてまた石を乗っけるようにして、高さを出していきました。
上から見るとこのようになっています。

ソイルが前に流れてこないように、小石などを入れて隙間を埋めていきました。
ミスト式では根が張るのでそこまでソイルが流れてきませんが、今回は少し流れてきてしまいました。
初めに、ウールを入れるなどして、隙間を確実に埋めていくのがよいでしょう。
横から見るとこれくらいの高さになっています。

ニューラージパールグラスをほぐしていく
購入したニューラージパールグラスをいくつかの束に分けていきましょう。

私は安いのでメルカリで購入することが多いです。
できるだけ根を切らないように手でほぐしてあげるとよいでしょう。
これくらいの大きさにばらしていきます。

霧吹きでソイル全体を濡らしていく

霧吹きを使って、ソイルを濡らしていきます。表面だけではなくソイル全体が濡れるくらい多めに水をかけてください。
100均の霧吹きで全く問題ありません。
30回位シュッシュとやっていくので腕が疲れます・・・。できれば圧縮式の霧吹きがおすすめです。
ニューラージパールグラスをソイルの上に置いていく

今回はちょっと多めに購入してしまい、すでにソイルを覆うほどの量になってしまいました。

背面のところは別の水草を植えたかったので、水草をのっけていません。
本当は、こんなに多くなくても大丈夫です。
ニューラージパールグラスは、通常ソイルの中にピンセットなどで植えていくのですが、ミスト式の場合は上に乗っけるだけで根が張っていきます。
この時に前面のガラス面のところは少し空けておいてください。
育ってきたときに厚くなりすぎて見た目がよくないです。
ラップやフタなどをして密閉する

水草を置いたら、ラップやフタなどをして水分が逃げないように密閉していきます。
水分が水槽内にあることで水草はほぼ水中葉のまま育っていきます。
乾いてしまうとよくないので、しっかりと隙間がないようにしてください。
ライトの載せて点灯する

ラップの上に水草育成用のライトを載せて、10~12時間くらい点灯させていきます。
水が入った状態と違って、コケは出ませんので長時間点灯させておいても大丈夫です。
ここがミスト式のメリットです。
写真ではラップをしていませんが、実際には、ラップをした上からライトで照らすような形になります。
30㎝水槽でもニューラージパールグラスをミスト式で育てましたので、こちらも参考になさってください。

ミスト式で1~2か月程度育てる
1日に1回ラップを開けて、霧吹きをしていきます。
できれば、毎日新しい水道水を入れるのがよいと思っています。
水道水に含まれるカルキ(塩素)がカビなどを防いでくれるのかなと思っています。
またラップをしてというのを繰り返していきます。
2週間程度すると徐々に量が増えてきて、根も張ってきます。

毎日ラップを取り替えるのは大変なので、隙間だけ空けてシュシュっとやるのがおすすめです。
注水してフィルターを回す

ある程度ソイルが見えなくなってきたら水を入れていきます。
代替ソイルの8割くらいが見えなくなったら注水してよいと思います。
私はビビりなので結構育ってから注水します。
今回は、後景にロタラレディッシュを植えました。

ソイルが崩れないように入れていきましょう。

この後は、水の循環が必要なのでフィルターを回していきます。
私はCo2が逃げない外部フィルターを使用しています。

Co2を添加する

ここからはCo2を添加していきます。山岳レイアウトで使用する前景草はCo2の添加がないと育てるのが難しい水草がほとんどです。
初心者の方にこそ、Co2の添加をおすすめします。
2000円くらいから添加できるものもありますので、ぜひ添加セットを使ってください。失敗する確率がぐっと下がります。
いろいろな方法がありますので、ぜひこちらの記事を参考にしてください。

今回使用したのは60㎝水槽でしたので、1秒に1滴~1秒に2滴くらいで添加しました。
もし、他の水槽サイズで添加する場合の目安は次の通りです。
添加量の目安 | |
30㎝水槽 | 2秒に1滴 |
45㎝水槽 | 1秒に1滴 |
60㎝水槽 | 1秒に2滴 |
90㎝水槽 | 1秒に3滴 |
2日に1回水替えをしていく
ソイルから出る栄養分が多いため、始めのうちは多めに水替えをしていきます。
始めの1週間くらいは2日に1回は水替えをしていくとよいでしょう。
1週間たったら3日に1回くらい・・・というように少しずつ水草の様子を見ながら水替えの頻度を少なくしていくとよいでしょう。
落ち着いてきたら1週間に1/3くらいにしていきましょう。

山岳レイアウト完成
他にも少し水草を足しましたが、魚を入れて完成です。

山岳レイアウトのメンテナンス
水を入れて、レイアウトが完成したあともキレイに保つためにメンテナンスが必要です。
また、立ち上げ初期にはコケが出やすくなったりしますので、対策をお伝えします。
茶ゴケへの対策

立ち上げ直後に発生するコケとして多いのが「茶ゴケ」です。
こちらは、まだバクテリアが少なく水質が不安定な水槽でよく出るものです。
茶ゴケは「ヤマトヌマエビ」がよく食べてくれますので、10匹ほどいれて、きれいに食べてもらいました。

あとは少し時間が待ってバクテリアが増えるまで待つ必要があります。

伸びすぎないようにトリミングをする
ニューラージパールグラスは、ある程度伸びたらトリミングする必要があります。
トリミングをしないと、浮いてしまったり、光が当たらないところが出て色が変わってしまったりします。
そのため、厚さが2~3㎝近くになってしまったらハサミでトリミングをしていきましょう。


切った水草を放置しておくと、フィルターに吸い込まれてしまって流量が落ちますので、しっかりと網ですくってあげましょう。

山岳レイアウトを使用したもの
ここでは、今回山岳レイアウトを作成するにあたって使用した主なものをお伝えします。
カミハタ「青華石」

今回はカミハタ「青華石」を中心に作りました。青系の石を使うとさわやかな印象になります。
ただ、水の硬度が上がりやすいので管理が難しくなるというデメリットがあります。
また、水槽に対して「ちょっと大きいかな?」くらいの大きさの石を選ぶとよいと思います。
他にも「気孔石・黄虎石」などと呼ばれる黄色っぽいごつごつした石もあります。
こちらで山岳レイアウトを作成する方も多いので、おすすめです。
「気孔石・黄虎石」は硬度への影響は少なめなので、初心者の方でもおすすめです。
私も、次はこちらを使いたいと思います。
水草用ソイル:水草一番サンド
ソイルは大きく分けて栄養系と吸着系があります。今回は「水草一番サンド」という栄養系のソイルを使いました。
お店やAmazonなどで売られている水草育成用のソイルはどれも優秀なので、どれを使用しても失敗はしないと思っています。
もし、よくわからないという方は「水草一番サンド」で試してみてください。
水槽サイズに対するソイルの量は次の通りです。
ただ、どれくらい底上げするのかどれくらい盛るのかによって変わりますので、少し多めに準備することをおすすめします。
余ってもソイルの入れ替えなどで次回使用できるので無駄にはなりません。
水槽サイズ | ソイルの量 |
30㎝規格水槽 | 5L |
30㎝キューブ | 7L |
45㎝水槽 | 8L |
45㎝キューブ | 11L |
60cmスリム | 8L |
60cm規格水槽 | 12L |
前景草:ニューラージパールグラス
山岳レイアウトでよく使用される水草は次の通りです。
- ニューラージパールグラス
- キューバパールグラス
- ショートヘアーグラス
- グロッソスティグマ
- エキノドルステネルス
個人的に一番簡単だと思う「ニューラージパールグラス」を今回は使用しました。
なぜなら、他の水草よりも硬度が高くても育ちやすいからです。
石をたくさん使用する山岳レイアウトでは、硬度が高くなりがちです。
また、ミスト式でも育ちやすいので個人的には1番よいのではないかと考えています。
水草育成用ライト:chihiros WRBG
前景草を育てるためには、ある程度の光量がないとうまくいきません。
そのため、ライトはかなり重要なポイントであるといえます。
私は、Chihirosのライトを使用しています。アプリで時間管理や調光することもできるおすすめのライトです。
これを使っていて育たない水草はないというくらい圧倒的な光量があります。

ただ、少し価格としては高価なので、ちょっと厳しいという方には「アクロ TRIANGLE VIVID」をおすすめしています。
価格の割に水草育成の力が高いので初心者の方にもおすすめです。
30㎝水槽では、私はこちらを使用してニューラージパールグラスを育てました。
Co2添加セット:チャームCo2フルセット
水草をきれいに絨毯にしたいのであれば、Co2の添加は必須だと考えています。
なくてもできなくはないのですが水替えを毎日行わなければならないため「かなり手間がかかる」という感じです。
私は「小型ボンベ式」の添加セットを使用しています。
ランニングコストが月500円程度かかるのがデメリットですが、置く場所に困らずコンパクトなので使いやすいです。
また、電磁弁とスマートプラグで添加を自動化しているので、毎日ON/OFFしなくていいのがとても楽です。

霧吹き:100均のもの
ミスト式では、毎日霧吹きをして水草が乾燥しないようにしなければなりません。
毎日20回くらいシュシュッとやるのですが、結構つかれます。
もちろん100均のものでも十分可能ですが、他にも使う用途があるのであれば少しいいものを購入すると楽です。
トリミング用のハサミ
前景草をトリミングするためには、専用のハサミを使用するのがおすすめです。
まっすぐのハサミだと、手首をかなり曲げないといけないため、すぐに腕の限界が来ます。
そのため、刃先が曲がっているハサミを使用することをおすすめします。
まとめ
山岳レイアウトは、ごつごつとした石と緑の絨毯が美しいレイアウトです。
完成させるにはライトやCo2など必要なものはありますが、それさえあれば初心者の方でも作れるレイアウトだと思います。
レイアウトは、上手な人のものを真似してやってみると感覚がつかめると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
こちらのレイアウトの本が私の愛読書なので、手に取って好きなレイアウトを探してみてくださいね。

