水草育成

【流木のアク抜き】4つの方法と「キリがない・終わらない」と感じたときの対処法について解説!

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この記事はこんな方のための記事です。

  • 簡単に流木の「アク抜き」ができる方法を知りたい
  • アク抜きをいつ終わりにしたらいいかわからない

水草水槽のレイアウトのメインとしてよく使われているのが流木です。

流木があるだけでカッコいい水槽になるのでぜひとも入れたいものです。

ただ、流木を入れる時に面倒なのが「アク抜き」です。思った以上に手間がかかるので「やりたくないな」と思う方も多いでしょう。

時間もかかるし、いつまでも茶色い水が出てきて大変ですよね。

水草水槽歴13年になる私も、流木はよく使いますしアク抜きも何回もしてきました。

そこでこの記事では、そもそも「なぜアク抜きが必要なのか」「アク抜きの方法」「キリがないと感じた時の対処法」について解説していきます。

この記事を読めば、流木のアク抜きの時間を短縮できるようになりますよ。

まずは結論からお伝えします。

  • アク抜きをしないと、水が茶色になり、弱酸性にもなりやすい
  • 完全に色は抜けないので、ある程度で水槽内に入れるとよい
  • 活性炭を使用して、水槽内で色を抜いていくのがおすすめ

それでは解説していきます。

流木のアク抜きはなぜ必要?しないとどうなる?

そもそも、なぜ流木のアク抜きが必要なのでしょうか。

ここでは、流木のアク抜きがなぜ必要なのか、しないとどうなるかをお伝えします。

そもそも「アク」とは?

流木における「アク」とは、一般的には次のように言われています。

  • フミン酸
  • フルボ酸
  • タンニン(渋み、色素)フミン酸

木の中で自然に作り出された成分が溜まっており、それが水槽に染み出す前にアク抜きを行うわけです。

特に、水を茶色くさせるのは紅茶などにも含まれる「タンニン」であると言われています。

こちらは自然界にあるものなので、魚に悪い影響はありません。

アク抜きしないとどうなる?

では、このような成分を取り出さずに水槽に入れるとどうなるのでしょうか。

アク抜きの作業をしないと起こることは次のとおりです。

  • 水が茶色くなる
  • 水質が弱酸性に傾く
  • 流木が沈まなくなる

水槽に入れた時に水が茶色くなる

アク抜きをしないで水槽に入れた時に、一番気になるのは「水が茶色くなる」ということでしょう。

アク抜きをされる方のほとんどが、水を茶色くしないことを目的として行っています。

ただ、茶色くなること自体には、魚に悪影響はありません。

水質が弱酸性に傾く

「フミン酸」「フルボ酸」などが染み出すと、水槽が弱酸性になることがあります。

中性や弱アルカリ性を好む魚や水草を飼育しているときには、水質が合わなくなってしまう場合があります。

しかし、基本的には弱酸性を好む魚や水草は多いので、問題ない場合が多いです。

流木が沈まなくなる

こちらは「アク抜き」とは少しちがいますが、流木を沈めるための一環としてアク抜きを行う方もいます。

流木は水に付けて置かないと、浮かんでしまいレイアウトできないものが多いです。

そのため、流木を買ってきてから数日間水に付けて置き、水をしみこませたりして沈めます。

水に浸けると勝手にアクが出てきますからね。

代表的な流木のアク抜き方法と特徴

ここからは、具体的なアク抜きの方法についてお伝えします。

  • ①水に沈める方法【基本】
  • ②煮沸する方法【早く抜きたい人向け】
  • ③重曹を使う方法【安い】
  • ④アク抜き剤を使った方法【専用品で安心】

まずアク抜きの前に行うこと

4つの方法の前に、共通して準備することがあります。まずはそちらからお伝えします。

ブラシで表面を洗う

アク抜きをする前に、流木を軽くブラシで洗いましょう。

表面にあるゴミ・土・カビなどの付着物をきれいに落とすことで、水槽に安心して入れることができます。

また、表面に残っている柔らかくなった木の皮などをはじめから落としておくことで効率よくアク抜きを行うことができます。

市販のすでにキレイなものは、こすらなくてもいいです。

使用するブラシは、歯ブラシでは小さいので掃除用などのナイロンブラシやたわしなどを使用するとよいでしょう。

場所や道具の確保

流木の大きさにもよりますが、アク抜きは結構なスペースを取ります。

バケツでは流木の半分くらいしか入らず、アク抜きの効率が悪いので、大きめ容器が必要になる場合があります。

流木を水に浸ける時に次のようなものをよく使います。

  • 発泡スチロールの箱
  • 衣装ケース
  • 大きめのプラケース

中にはお風呂の浴槽でアク抜きをする方もいらっしゃいますが、一人暮らしでない限り難しいでしょう。

発泡スチロールは安いし、汚れたら捨てられるのでおすすめです。

①水に沈める方法【基本】

1つ目は水に3日~1週間ほど沈めておく方法です。

大きめの容器に水をたっぷりと入れ、その中に流木を沈めておきます。

アクが染み出して、水が茶色くなったら水を交換していき、最後に水がほぼ透明になってきたら終わりです。

1日に1回位は水を交換しましょう。

この方法は、お金もほぼかからずほったらかしでいいので手軽ですが、何しろ時間がかかるので根気が必要です。

②煮沸する方法【早く抜きたい人向け】

2つ目は、鍋で流木をぐつぐつと煮て煮沸する方法です。

流木が入る大きな鍋を用意して、1~2時間程度を目安に煮込んでいきます。

煮込んでいる間にアクが出てくるので、水も茶色になってきます。

40分くらい煮たら1度水を捨てて、新しい水で煮込むとさらに効果があります。

1~2時間程度煮たら、最後に流木をきれいに水で洗って完成です。

流木が浮いてこないように落し蓋をすると、より効率的にアク抜きを行うことができます。

ただ、大きめの鍋が他に使いづらいので、その点がデメリットといえます。

③重曹を使う方法【便利・手軽】

こちらは①で紹介した「水に浸ける方法」にプラスして重曹を入れていく方法です。

水を張った容器に、重曹を入れて流木を沈めていきます。

この時「水1Lに対して重曹5g」程度がよいとされています。

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私なんかは結構適当に入れてしまいます。

ここでも水が茶色くなってきたら1日おきくらいに水を替えていく必要があります。

水を替えたらまた重曹を入れてあげましょう。

また、重曹はアルカリ性でそのまま水槽に入れてしまうと、あまりよくないです。

そのため、重曹を流木から抜くために、水に2~3日付けて置くのがよいでしょう。

こちらも、合計で3日~1週間程度かかると思ったほうがよいでしょう。

④アク抜き剤を使った方法【専用品で安心】

流木専用の「アク抜き剤」というものも販売されています。

パウダータイプになっているので、バケツの水に溶かして使用していきます。

成分はほぼ重曹のようですので、あえて購入すしなくてもいいと思いますが「専用のものが安心」という方にはよいかもしれません。

アク抜きが「終わらない」「きりがない」と感じたとき

アク抜きをしていると「水がずっと茶色いままなんだけど・・・」「これっていつ終わりにすればいいの?」

と感じることもありますよね。

ここでは、アク抜きの終わり時の目安などについてお伝えします。

アク抜きを終わりにしていい目安

アク抜きを終わりにしていい目安は「容器の底が見えるようになったら」くらいでいいと思います。

始めの頃はまっ茶色・真っ黒な水が出てきて、容器のそこが見えなくなってしまうくらい汚れてしまうことがあります。

しかし、数日やっていると容器の底がしっかり見えるくらい透明感が出てきます。

そのくらいになったら、水に色が付いていても、終わりにしてよいでしょう。

水が茶色くなっても魚には影響がない

実際にはアク(タンニンやフミン酸など)を完全にゼロにするのは難しいです。

そのため「出てくる水の色がある程度薄くなればよい」くらいのでアク抜きを終わりにしてよいと思います。

水が茶色くなったとしても魚の健康には影響がないですし、見た目の問題ですので、アク抜きはそこまで完璧にしなくても大丈夫です。

水槽の中でアク抜きしてく方法もある

紹介したアク抜きの方法は、流木を数日間置いておいたり、鍋で煮たりするので道具や場所が必要でした。

しかし「そんな場所ないよ」とか「ちょっと家族の目が・・・」という方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合は、始めに軽く流木の表面だけを洗い、水槽内でアク抜きをしていくこともできます。

流木を石などに巻き付ける

買ってきてすぐの流木は水に沈まないものがほとんどです。

そのため、水槽内でアク抜きをする場合には石などにくくりつけて無理やり沈めることが必要です。

専用の接着剤や、ビニタイなどで石と流木を付けて、まずは水槽内に沈めましょう。

フィルターに「活性炭」を入れて着した水をきれいにしていく

アク抜きをしていない水槽内の水は、茶色くなっていきます。

その場合には、フィルターに活性炭を入れて、水を循環させながらきれいにしていきましょう。

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活性炭のおすすめはキョーリンの「ブラックホール」です。

活性炭の「ブラックホール」は、流木のアクや黄ばみを吸収できる商品です。

HPには次のように書かれていますので、アク抜きする前の流木を入れられることが分かります。

カーボンパックや従来の活性炭では吸着が難しかった流木のアク・黄ばみを完全除去するため、アク抜き処理されていない流木をそのまま水槽に使用できます。

キョーリン公式サイト

キョーリン公式サイトから引用

実際、アク抜きをした後の流木も多少は色が染み出しますのでどちらにしても、ブラックホールは必要になる場合が多いです。

「ブラックホール」を使用できるフィルター

「ブラックホール」はかなりおすすめの商品ですが、使用できるフィルターは限られています。

使用できるフィルターは次の通りです。

この3つのフィルターの中に「ブラックホール」を入れて置けば、水がうまく通りますので、効果があります。

ちなみに私は外部フィルターにしか入れたことがないのですがしっかりときれいになりました。

他のフィルターの場合、ブラックホールを入れるスペースがないので使用するのは難しいです。

フィルター選びについて詳しく知りたい方はこちらのご覧ください。

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流木選びのポイント【アク抜きの手間を減らすには】

個人でアク抜きをするには、けっこうな手間がかかります。

そのため、流木の選び方によってアク抜きをしないこともできます。

ここでは、流木の選び方についてお伝えします。

拾ってきた流木と市販品の違いと注意点

自然で拾った流木は、アクだけでなく虫・カビ・汚れ・塩分などがついている可能性があり、しっかりした処理が必要です。

水槽にそのまま入れてしまうと、水質が急変したり、最悪の場合は魚が弱ってしまうこともあります。

一方、市販のアクアリウム用流木は、基本的に農薬や塩分が使われておらず安全に使えます。

市販のものは形もきれいなものが多いですし、安心ですので特に初心者の方は市販のものを選ぶ方がおすすめです。

「アク抜き」してある流木を選ぶほうが簡単

売られている流木の中には「アク抜き処理済み」「煮込み済み」という表記があるものもあります。

こちらは、すでにおよその処理をしてあるので、家での処理をしなくても大丈夫な場合が多いです。

ただ、沈むかどうかはまた別の話なので、石に巻き付けたり、数日間水に浸けたりする作業は必要になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 煮沸できない流木はどう処理すればいい?

鍋に入らない大きな流木や、鍋が用意できない場合は、バケツや衣装ケースに水を張って沈める方法がおすすめです。

また、重曹や市販のアク抜き剤を併用することで、ある程度時間を短縮することも可能です。

煮沸は効率的ではありますが、必須ではありません。自分の環境に合ったやり方を選んで大丈夫です。

Q. 流木が沈まない時はどうやって水に浸ける?

アク抜きの時に流木が浮いてしまうと、上の部分が水面から出てしまいますよね。

そのため、石などにくくりつけて沈めたり、落とし蓋のように上から押さえつけて沈めるほうが効率的です。

数日から1週間程度で中の空気が抜けてきて徐々に沈むようになっていきます。

もし早めに沈めたい時は煮沸したほうが早く沈むようになります。

まとめ|流木のアク抜きは目的と手段を見極めて

ここまでをまとめます。

  • アク抜きは塩分やフミン酸・タンニンなどを水槽に入れないようにするために行う
  • 完全に着色汚れはなくならないので、ある程度アク抜きをしたら水槽に入れてよい
  • 活性炭を使用すれば水槽の着色汚れは防げる
  • 市販のアク抜きされた流木を買えば手間も省ける

かっこいい流木は入れるだけで初心者でもかっこよくなるので、レイアウト水槽には欠かせません。

アク抜きできればやったほうがよいですが完璧には無理なので、水につけておいて水がある程度透明になってきたら水槽に入れてしまいましょう。

活性炭などを利用すれば、自然と水も透明になっていきます。