この記事はこんな方のための記事です。
- 水槽用クーラーが本当に必要か知りたい
- 水槽用クーラーのメリット・デメリットが知りたい
- クーラーなしでも水槽を冷やす方法を知りたい
夏場など、水温が高くなりすぎるのを防ぐ方法として「水槽用クーラー」があります。
クーラーがあれば水温を一定に保つことができ、魚や水草にとっても安心です。
しかしクーラーはかなり高価ですし、電気代もかかります。
そのため「本当にクーラーって必要なの?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、熱帯魚水槽歴13年の私が、クーラーを使うメリット・デメリット、クーラーが必要/不要なケースなどをわかりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたの水槽にクーラーが必要かどうかを判断できるようになります。
まずは結論からお伝えします!
- エアコン管理できるのであれば、クーラーはなくてもいい
- エアコンが効かない部屋であれば、クーラーかファンを検討するとよい
それではくわしくお伝えしていきます。
水槽用クーラー以外の高温対策はこちらの記事をお読みください。

水槽用クーラーが必要な場合
水槽用クーラーは、すべての水槽に必要というわけではありません。
しかし、次のような環境や条件では、クーラーの導入を検討した方が安心です。
ここでは、クーラーが必要になりやすい代表的なケースを3つご紹介します。
気温が上がりやすい部屋に水槽がある場合

日差しが入りやすい南向きの部屋や、エアコンのない部屋、風通しの悪い場所などでは、夏場の室温が30℃を超えることがあります。
そんな環境では、水槽の水温も当然上がってしまい、魚は調子が悪くなり、最悪の場合は命に関わることもあります。
特に真夏の日中に室温が35℃近くになるお部屋では、冷却ファンだけでは追いつかないこともあります。
このような場合には、水槽用クーラーを使ってしっかり水温を管理することで、生体の健康を守ることができます。
わが家も以前、エアコンの風が当たりづらい場所に水槽を置いていたときは30℃近くになってしまい焦ったことがあります…。
高水温に弱い生体を飼育している場合

メダカやグッピー、プラティなど比較的丈夫な魚であれば、多少の高水温にも耐えてくれます。
しかし、高温に弱い生体(魚や水草)というものもあります。
特に注意が必要なのは、エビや水草などです。
海水水槽ではサンゴなども高温に弱いそうです。
エビは28度以上になると弱りやすいですし、水草も高温になると溶けたり枯れたりしてしまうことがあります。
エビ中心の水槽や、本格的な水草水槽のレイアウトを目指している方には、クーラーはあると安心でしょう。
自分が寒い部屋が苦手な場合

クーラーを使用しない場合は、エアコンで温度管理をすることになります。
その場合、エアコンはほぼつけっぱなしになります。
そうなると「水槽にとってはいいんだけど、人にとっては寒い」という場合もあるかもしれません。
「エアコンのつけっぱなしは体に悪くなりそう」と感じる方には、水槽だけを冷やす水槽用クーラーを使用するほうがよいかもしれません。
水槽用クーラーを使用しなくていい場合
水温を一定に保つためには、水槽用クーラーがあったほうがいいです。
ただ、中には使用しなくていい・使用しづらい場合があります。
このようなケースの時には、他の方法を検討するほうが効率がいいでしょう。
2台以上水槽を管理している場合

水槽を2台以上管理している場合には、水槽用クーラーを使用しないほうがよいでしょう。
なぜなら「初期費用」「ランニングコスト」がかかりすぎてしまうからです。
水槽用クーラーの相場は1万円~5万円程度です。1台ならまだしも、それを数台準備するというのは普通の家庭では難しいでしょう。
さらに、電気代もかかりますので、クーラーの複数台使用は現実的ではないですよね。
水槽が2台以上ある場合には、エアコンで室温管理をしていくほうが経済的におすすめです。
私は水槽2台持ちなので、エアコン管理のみです。
設置スペースが少ない場合

設置には本体+ホースの取り回しスペースが必要ですし、排熱を逃がす空間も考える必要があります。
リビングの棚やデスク上に水槽を置いている場合など、スペースに余裕がない方には設置が難しいこともあります。
そのような場合は、冷却ファンやエアコンの併用にしたほうが現実的です。
水槽のフチに掛けて使用するタイプもありますので、「スペースはないけれど水槽を冷やしたい」という方は検討してみてください。
高温でも耐えられる魚だけの場合

高温が好きというわけではありませんが、高温でも耐えられる魚もいます。
このような場合には、無理に水槽用クーラーを設置しなくてもよいでしょう。
- メダカ(37℃くらいまで)
- 金魚(35℃くらいまで)
- アカヒレ(30℃くらいまで)
メダカや金魚など、多くの家庭で飼われている魚は高温でもある程度まで耐えることができます。
そのため、室内で飼育している場合にはクーラーを使用しなくても何とか耐えることができるでしょう。
もちろん、あくまで「耐えられる」なので適温にしてあげるほうが健康としてはいいでしょう。
水槽用クーラーを設置するメリット・デメリット
ここまで、水槽用クーラーが必要/不必要な場合をお伝えしました。
では、実際にクーラーを設置するとどんな良いことがあるのか、また注意しておきたい点はどこか、改めて整理してみましょう。
クーラーを使用するメリット

クーラーを使用するメリットは次の3つです。
- 水温を一定に保つことができる
- 夏場でも安心して魚を飼育できる
- 熱に弱い水草も安心して育てられる
- 水の蒸発が少なくて管理が簡単
水温を一定に保つことができる
エアコン管理では、風の当たり方などによって水温が変動してしまいます。
魚やエビにとっては水温の変化はストレスになりますし、調子が悪くなることもあります。
水槽用クーラーを使用することによって、常に24~26度をキープすることができるので、飼育する環境としては最もよい状態を作ることができます。
水草などの成長もよくなりますので、キレイなレイアウトを作りたい方にもよいでしょう。
安心して魚を飼育できる

例えば、外出時や旅行時には「今日暑いけれど水槽は大丈夫かな・・・」と心配になることがあります。
私はエアコンで管理しているのですが、前に「あれ、エアコンの電源入れたっけ?」と気になってしまったことがあります。
朝晩が涼しい時には、エアコンのスイッチを入れ忘れてしまうことがあります。
水槽用クーラーがあれば、そんな心配はしなくてもすみますし、気になって仕事や遊びに集中することもできます。
「高温になって魚が全滅」という最悪の事態を絶対に避けられる安心感のために、クーラーを使用するのもよいでしょう。
水の蒸発が少なくて管理が簡単

水の蒸発が少なく、水足しの手間が減ることもメリットの一つです。
ファンを使用する場合は、気化熱で水温を下げるため、どうしても水が蒸発しやすくなります。
私もファンを使用していたことがありますが、その時は1日に2㎝くらい水が減っていることもあり、水を足さないといけない手間がありました。
海水水槽などでは、塩分濃度が変わってしまいますよね。
クーラーは、冷却部分に水が触れることで温度が下がるため、そこまで大きく水が減ってしまうことがありません。
仕事から帰ってきて、毎日水を足すのも面倒な時がありますので「できるだけ手間を減らしたい」という方はクーラーを使用するのもよいでしょう。
クーラーを使用するデメリット
クーラーを使用するデメリットは次の通りです。
- 本体価格が高い(数万円〜)
- 電気代が上がる
- 設置場所が必要になる
- 動作音や排出される温風がある
本体価格が高い(数万円〜)
なんといっても、価格が高く出費が痛いというところが最大のデメリットといえるでしょう。
30㎝水槽に対応する小型のクーラーで1万円ほど、45㎝~60㎝以上に対応する中型~大型のものであれば5万円ほどします。
夏場に使用するだけでこれだけの出費ができる方は多くないのではないでしょうか。
電気代が上がる
初期費用だけではなく、電気代が上がってしまうことも1つのデメリットです。
24時間フル稼働しているわけではないので、単純計算はできませんが、一般的に「月800~1500円」程度は電気代がかかるとされています。
エアコン管理との比較も後述しますので、ご覧ください。
設置場所が必要になる
クーラーは大きいものでは、かなりの大きさになります。
また、温風を逃がすために壁などから離さなくてはいけないことを考えると、結構スペースを使います。
外部フィルターにプラスしておくとなると、水槽台の中に納まりきらないこともあります。
動作音や排出される温風がある
機械がもう1つ増えるのですから、動作音などが気になる場合もあるでしょう。
(冷却ファンを使用する場合は、もう少し音がしますのでそれよりは音が小さいです。)
また、水を冷却した分クーラー本体からは熱を逃がすため温風が排出されるものもあります。
その温風で部屋が温まらないように、エアコンをつけなくてはいけないのであれば、「始めからエアコンでよい」ということになってしまいます。
本末転倒な感じがしますね・・・
水槽用クーラーの電気代はいくら?
ここでは、水槽用クーラーと冷却ファン、エアコン管理の電気代を比較したいと思います。
室温や使用している機器にもよりますので、正確なものではありません。
あくまで参考程度にご覧ください。
冷却ファン・水槽用クーラー・エアコンの電気代
電気代 | 備考 | |
冷却ファン | 月200円ほど | ・1日8~24時間稼働 ・1台あたり |
水槽用クーラー | 月800~1500円ほど | ・水槽サイズや室温によって 変動あり |
エアコン | 月8000円~13000円ほど | ・24時間稼働(6畳用)を想定 |
エアコンを24時間使用するよりは、水槽用クーラーを使用するほうが安くすむ場合が多いでしょう。
いずれにしても、6月~9月など夏場の暑い時期だけ使用することになりますので、その時期だけ電気代が上がってしまうことは間違いありません。
人がいない部屋では水槽用クーラーを

水槽のためだけにエアコンを使用すると、かなりの電気がかかってしまいます。
そのため、人がいるところ以外の場所(玄関や別の部屋など)では、水槽用クーラーを設置するほうがコスパがよいでしょう。
冷却ファンも効果はある
それでもやはり、お金をかけたくない場合には冷却ファンを使用することをおすすめします。
電気代や初期費用もあまりかからずに、水温を2~3度下げてくれます。
室温にもよりますが、効果は少なからずありますので、迷っているのであれば試してみるとよいでしょう。
まとめ

ここまでをまとめます。
- 基本的にはエアコン管理がおすすめ
- 水槽だけのためにエアコンをつけると、月1万円近く電気代が上がる
- 人がいる部屋以外の水槽にはクーラーがおすすめ
- 初期費用を抑えたい場合はファンの使用もあり
ここまで、水槽用クーラーが必要かどうか、メリットデメリットについてお伝えしました。
「あったほうがいいけれど、ちょっと手が出ない」という方が多いのではないでしょうか。
水槽がある場所や室温との関係、電気代を考慮してよい方法を選んでみてください。