トラブル・コケ対策

水槽の高温対策まとめ|夏に水温を効果的に下げる方法について解説!

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この記事はこんな方のための記事です。

  • 夏になると水槽の水温が気になる
  • 魚や水草の調子が悪くなってきた
  • ファンやクーラーを買おうかと迷っている
  • なるべくお金をかけずに高温対策したい

夏には部屋の温度が上がり、水槽内の温度も30度近くなってしまう場合があります。

26度程度が好きな熱帯魚や水草ですら、さすがにこの高温では調子を崩してしまいます。

最悪の場合には、一気に死んでしまったり水槽が溶けてしまったりすることもあります。

そこでこの記事では、熱帯魚水槽歴13年の私が、水槽が高温になるデメリットや、対策の仕方についてくわしくお伝えしていきます。

この記事を読めば、熱帯魚や水草の調子を落とさずに夏を乗り切ることができるようになります。

なぜ夏の高水温は危険?魚と水草に起こること

そもそも水槽内の温度が高くなることが、なぜよくないのでしょうか。

「普段ヒーターを入れてるんだから、暑いほうが好きなんじゃないの?」と思いますよね。

実は、高水温になると次のような問題が発生します。

  • 魚が酸欠になりやすい
  • 水草の成長が悪くなり、コケが出やすくなる

魚への影響|酸欠・免疫力低下

水温が上がると、水の中に溶け込むことができる酸素の量が減ってしまいます。

たとえば、グッピーやネオンテトラなどの小型の熱帯魚は、酸素が足りなくなると水面近くに集まり、口をパクパクさせることがあります。

これは「苦しいよ」というサインです。

さらに、水温が高いと魚も体力を消耗します。

その結果、免疫力も下がって、病気になりやすくなってしまうのです。

水面近くに泳いでいる場合は、酸素が足りないということがありますので、まずは水温をチェックしてみましょう。

水草への影響|高温で弱る・コケが増える原因に

多くの水草は25〜28℃くらいを好み、それより高くなると調子を崩しやすくなります。

水温が30℃に近づくと、水草の成長が止まり、葉がとけるように傷んでしまうことがあります。

特に繊細な種類の水草は、真夏の水温では全滅してしまうこともあります。

さらに、水草の成長が止まると、今まで使用していた養分を使い切れなくなり、葉の表面に水槽のガラス面にコケが多く発生してしまいます。

コケがついてしまうとさらに水草が育たず、悪循環になります。

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また、CO2を添加している場合でも、水温が高いと水にCO2がうまく溶け込まず、光合成の効率が下がってしまいます。

夏場に水草の元気がないと感じたら、こちらも水温を疑ってみてください。

水槽が高温になるのを防ぐ方法

ここからは高水温にせずに、水温を安定させるための管理方法についてお伝えしていきます。

高温対策は次の3つのどれかを選ぶのがよいでしょう。

  • エアコンを使って部屋の温度を一定に保つ
  • 水槽用のファンを使用する
  • 水槽用のクーラーを使用する

エアコンを使って部屋の温度を保つ

もっとも簡単にできるのが、エアコンを使って部屋の温度を上げないようにキープすることです。

水槽を2つ以上管理して置く方にはおすすめです。

電気代はかかりますが、水槽が2つ以上あり場合は、それぞれにファンやクーラーをつけるよりも安く済みます。

エアコンで管理する場合には、部屋を26度以上にならないようにつけっぱなしにするのが最も効果的です。

夏場は夜も温度が高くなりますので、24時間ONにしておくほうが安全です。

また、エアコンの風が水槽に直接当たる場合には、水温が下がりすぎてしまう場合があります。

その場合は、夏場でもヒーターを入れておくと水温が下がりすぎるのを防ぐことができます。

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水槽用のファンを使用する

水槽用のファンは水槽のフチに引っ掛けて風を当てる小さい扇風機のようなものです。

水面に風を当て続けることで、2~5度くらい水温が下がります。(室温などによっても変わります。)

また、中には冷やしすぎ防止の為にある温度まで下がったら自動でOFFになるものもあります。

電気代もそこまでかからず、初期費用も安いので、できるだけお金をかけたくないという方にはおすすめです。

水槽用のクーラーを使用する

「確実に水温を一定に保ちたい」という場合、頼りになるのが水槽用クーラーです。

他の方法とちがい、水温をしっかりと希望の温度まで下げてくれるので、夏でも安心して飼育を続けられます。

クーラーにもタイプがありますので、お伝えします。

ざっくり言うと、ペルチェ式チラー式の2種類があり、どちらも使い方や効果が違います。

タイプペルチェ式チラー式
対応水槽30〜45cm(小型水槽)60〜75cm(中型〜大型水槽)
冷却性能2〜3℃程度下がる(室温28℃以下で)設定温度までしっかり下がる(高気温にも強い)
静か(ファン音あり)やや大きめ(コンプレッサー音)
価格目安約12,000円前後約40,000〜60,000円前後
特徴・コンパクトで設置しやすい・冷却力が非常に高い
・本格的なアクアリウムに◎

ペルチェ式は30〜45cmくらいの小型水槽向きで、価格も手ごろです。

室温が28℃以下なら、水温を2〜3℃下げてくれることもあります。小さめの水槽で「とりあえず夏を乗り切りたい」という方にぴったりです。

一方、60cm以上の水槽や、安定して26〜27℃を保ちたい場合は、チラー式が断然おすすめです。

冷却力が高く、部屋の温度が30℃を超えても安定して水温を下げてくれます。

初期費用はかかりますが「生体や水草を安全に飼育したい」という方は、クーラーの導入を検討してもよいと思います。

水温を上げないための環境の水槽の見直し

基本的には水槽用クーラーを使用していれば、しっかりと水温を下げることができます。

ただ、エアコンやファンを使用している方の中には「全然下がらないんだけど」という方もいらっしゃると思います。

そんなときには、次の点を見直してみるとよいかもしれません。

フタをしていて熱がこもってしまっている

ファンやエアコンで冷やしているつもりでも、水槽のフタをしっかり閉めたままだと、水の熱が逃げにくくなります。

夏の間だけでも、フタをはずして風通しを良くするのがおすすめです。

魚の飛び出しが心配な場合は、メッシュタイプのフタなどを使ってもよいですね。

照明が水槽を温めてしまっている

意外と見落としがちなのが、照明による発熱です。

特に蛍光灯やメタハラのような照明は、点けているだけでかなり熱を出します。

これがじわじわと水面を温めてしまい、気づかないうちに水温が高くなっている…ということもあります。

  • 発熱の少ないLEDライトに切り替える
  • 照明の点灯時間を短くする(6~7時間程度にするなど)
  • ライトと水面の距離を少しあけて放熱しやすくする

また、日中の暑い時間を避けて、朝や夕方にライトをつけるのも良い工夫です。

エアレーションをしすぎている

「夏は酸欠が心配だから」とエアレーションを強めにしている方も多いと思います。

でも実は、エアレーションで室内の温かい空気をどんどん水中に送りこんでしまっていることもあるんです。

もちろんエアレーションは大切なのですが、風通しの悪い部屋や高温の室内では、逆効果になってしまう場合もあります。

  • 室温がしっかり下がっているか確認する
  • ファンとのバランスを見ながら、エアレーションを調整する

室温がそもそも下がっていない

エアコンをつけても、室内の空気が循環していなかったり、熱気がこもっていたりすると、水槽の温度はなかなか下がりません。

また、窓からの日差しで室温が上がってしまっているケースもあります。

  • 遮光カーテンやすだれで直射日光をカット
  • サーキュレーターや扇風機を使って、エアコンの冷気を水槽まわりに届ける

水槽が窓際にある場合には、できるだけ動かし、エアコンの風が当たりやすいところに置き直してあげるとよいでしょう。

まとめ

ここまでをまとめます。

  • 水温を下げる方法は次の通り
  • エアコンをつけっぱなしにする
  • 水槽用ファンを使用
  • 水槽用クーラーを使用
  • 水槽環境の見直しも大切

魚や水草は、一度高温になってしまうと死んでしまったり枯れてしまったりします。

それはとても悲しいことですし、水槽をリセットしなくてはならないことも多いです。

そのため、高温になる前にしっかりと対策をして水温をキープしていきましょう。

エアコンで管理したり、ファンやクーラーを使用してしっかりと対策をしていきましょう。