この記事はこんな方のための記事です。
- 「水草その前に」がどれくらい効果があるか知りたい
- 「水草その前に」を使う手順をくわしく知りたい
- 「水草の前に」の代わりになるものを探している
店舗で売られている水草には、スネール(貝)や農薬などがついていることがあります。
処理をせずに水槽に入れてしまうと、スネールが繁殖してしまったり、農薬によってエビが死んでしまったりします。
私も昔スネールだらけになってリセットしたことがあります・・・
そのようなことにならないように多くのユーザーが「水草その前に」を使用しています。
水に溶いて水草に浸けるだけでいいので、初心者にとっても使いやすいです。
水草水槽歴13年になる私も現在は使用しているので、スネールはいません。

ただ、使い方を間違えてしまうと水草が溶けてしまうこともあります。
また、1袋200円程度とやや割高なので、ちょっと使いづらいと感じる方もいるでしょう。
そこでこの記事では、水草水槽歴13年の私が水草その前にの使い方や注意点、代用できるものをお伝えします。
この記事を読めば、安全に水草を水槽に入れることができますよ。
忙しい方のために、まずは結論からお伝えします。
- 「水草その前に」の効果は「農薬除去」と「害虫駆除」
- 10分以上浸けると水草が溶ける可能性がある
- 葉が柔らかいマツモ・アナカリスなどは要注意
- 代用品としては「重曹」「炭酸水」「消石灰」「焼成カルシウム」など
それではくわしく解説していきます。
「水草その前に」とは?どんな効果があるの?
まず「水草その前に」をつかうと、どのような効果があるのか、使用しないとどうなるのかについて確認をしていきましょう。
大きく分けると次の2つの効果があります。
- 害虫(スネールなど)を駆除できる
- 残留農薬を洗浄できる
スネール・プラナリアなどの害虫を駆除できる
購入した水草には、スネール(貝)やプラナリアなどの水槽にとっての「害虫」がついていることがあります。
一度水槽に入ってしまった害虫はすぐに増えてしまい、手で取り除くのはかなり困難です。
増えてしまった場合には、リセットをしないといけない場合も多いので、かなりの労力と時間がかかります。
「水草その前に」はそういった害虫を駆除する効果があります。
駆除できる害虫はどんな生き物?
具体的に「害虫」ってどの生き物のことをいうの?とわからない方も多いでしょう。
一般的に水草についているといわれるのは次の生き物です。
一部写真がなくイラストになってしまいました・・・。
中には「害虫」というほど悪さをする生き物ではないものもいます。
ただ、増えてしまうと見た目的にはかなりマイナスなので、水槽には絶対に持ち込まないようにしましょう。
残留農薬を洗浄できる
「水草その前に」の効果の2つ目は水草について残留農薬を洗浄できることです。
農薬は主に「殺虫剤」と「殺菌剤」ですね。
外国から日本に輸入される水草は、カビや害虫などがつかないように農薬が使用されています。
農薬がついたままの水草を入れてしまうと、エビが死んでしまいます。
そのため、農薬を洗浄するために「水草その前に」を使用します。
水草内部に残った農薬は洗浄できない

葉や茎の表面に残った農薬は、洗浄できるのですが、内部に残っている農薬を打ち消すことはできません。
そのため、水草その前に1度付けた後バケツに水を入れ、数週間から1か月程度内部の農薬を薄めていく必要があります。
もし、すぐに水草を入れたい場合は「農薬を使用していない」という表記があるものを購入しましょう。
ただ、エビがおらず魚のみの場合は、農薬で死んでしまうことがないため「水草その前に」を使用してすぐに水槽に入れることができます。
水草その前にの使い方|正しい手順と注意点
では「水草その前に」に具体的な使用手順をお伝えします。
簡単なので、初心者の方でも使いやすいと思います。
今回は、陰性水草の「ミクロソリウムナローリーフ」でやってみます。

基本の使い方|2Lの水に1袋を溶かして10分
「水草その前に」は粉状になっています。

それをバケツの中に入れていきます。
そこに2Lの水を足してよく混ぜます。

水の量が違うと薄くなってしまったり、濃すぎたりしますのでしっかりと量りましょう。
ここに買ってきた水草を沈めて10分間浸けていきます。
ウールなどが付いている場合は外してから浸けましょう。

バケツの中の水は強いアルカリ性になっています。10分以上浸けると、葉が溶けてしまったり、弱ってしまいます。
10分で効果は十分なので、それ以上は絶対に浸けないようにしましょう。
使用後のすすぎはしっかり丁寧に
水草がしっかり浸かったら、次は真水でしっかりとすすいでいきます。

これを忘れてしまうと、水槽の水質が変わってしまい、これでもエビが死んでしまいます。
公式にはすすぎの時間までは明記されていません。
そのため、流水で2~3分程度すすげば十分だと思っています。それでエビが死んでしまったこともありません。
よくすすいだら、水槽に入れて大丈夫です。

注意点|使えない水草・気をつけたいポイント
水草の中には「水草その前に」で比較的ダメージを受けやすいものがあります。
使用できないわけではないのですが、時間を短くするなどして少し気を付けて使っていくとよいでしょう。
使うとダメージを受けやすい水草
葉が柔らかくて繊細な水草は、アルカリ性のダメージを受けてしまうことがあります。
中には葉がばらばらになってしまったり、溶けてしまったりするものがあります。
例えば次のような水草です。
- アナカリス
- カボンバ
- マツモ
- モスの仲間
- バネステリア
個人的には、これらの水草に使用した時には特に問題はなかったのですが「バラバラになってしまった」という体験談もいくつか見られました。
気を付けるに越したことはないので、10分ではなく7~8分にするなど、時間を短めに使用するとよいでしょう。
また、すすぎをしっかりとしてダメージを与えすぎないようにしてください。
流木に活着している水草への使用は?

流木に水草が着いている状態で売られているものに「水草その前に」を使用することはできるのでしょうか。
すでに活着(根がくっついている)状態であれば、流木も含めて浸けてしまうのがよいでしょう。
流木の表面にもスネールなどが付着している可能性がありますからね。
ただ、流木の場合は仲間で薬液が浸みこんでしまう場合があります。
そのため、流水ですすいだあとに、バケツなどで20分程度真水に漬けておくとより安全です。
「水草その前に」の代用になるものはある?

「水草その前に」は、1袋200円と割高です。
5回使えば1000円ですから、なかなか痛い出費といえます。
他のメーカーからも同様の商品は出ていますが、同様に割高です。
ここでは、害虫駆除と農薬洗浄をするために代用できそうなものをお伝えします。
なお、使用の場合は自己責任でお願いします。
「水草その前に」の成分は焼成カルシウム
そもそも「水草その前に」の成分について触れていきます。
成分は「焼成カルシウム」だといわれており、強いアルカリ性を示すものです。
強いアルカリ性で、酸性の農薬を中和したり、スネールを駆除したりするものです。
そのため、強いアルカリ性をもつものや、アルカリ性でなくてもスネールを駆除できるものであれば代用できることになります。
代用できるもの一覧
水質(pH) | 向いている目的 | 効果 | |
重曹 | 弱アルカリ | 表面洗浄 スネール駆除 | △ |
炭酸水 | 弱酸性 | スネール駆除 | △ |
農業用焼成消石灰 | 強アルカリ | 農薬・害虫除去 | ◎ |
食品用焼成カルシウム | 強アルカリ | 農薬・害虫除去 | ◎ |
本家と同じような効果を期待する場合には「農業用消石灰」がよいでしょう。
価格も安めで効果が強いことがおすすめする理由です。
それでは、ここから1つずつお伝えします。
代用品①:重曹(炭酸水素ナトリウム)
重曹は弱アルカリ性です。食品や掃除にも使われていますし、100均一などでも売られているので、安心して使うことができます。
弱アルカリ性なので、スネールやプラナリアにダメージを与えることができますが、成分としてはやや弱いため、効果は薄めです。
その分価格は安めなので、手を出しやすい点がメリットといえるでしょう。
濃度で考えると、水2Lに対して5gくらい入れるとちょうどよい濃さになると考えられます。
重曹は流木のアク抜きなどによく使いますね。
アクアリウムでも使われるものなので、安心して使用することができます。
使用後は水草をしっかりすすいで水槽に入れてくださいね。

代用品②:炭酸水(食品用)
炭酸水は弱酸性です。
どちらかというと二酸化炭素によってスネールやプラナリアを窒息させる効果があります。
食品の一部なので、安心して使用できますし水槽に入ったところで何も問題ありません。
すすがなくても問題ないので、かなり時短になります。
ただ、こちらもスネールの卵などには効果が薄いのであくまで補助的な役割として使用するとよいでしょう。
使い方としては、炭酸水をそのまま容器に入れて、その中に水草をドボンとつけます。
10分くらい浸けてから、水草を水槽に入れてあげましょう。

代用品③:農業用消石灰(水酸化カルシウム)
「水草その前に」と似た成分の水酸化カルシウムなので本家とかなり近い効果を得ることができます。
水に溶かすと強いアルカリ性を示すため、農薬洗浄効果やスネールの駆除についても期待できます。
もともと農業用の土をアルカリ性にしてナメクジなどを駆除することもできるそうです。
スネールやプラナリアに効果があるのがよくわかりますよね。
かなり強い成分なので、本家と同じように2Lに対して1gからスタートして、10分で洗い流すようにしてください。
しっかり洗い流さないと、水槽の水質が変わってしまうので注意が必要です。
代用品④:食品用焼成カルシウム
もともとは野菜の農薬洗浄などに使う食品用焼成カルシウムというものもあります。
こちらも本家と同じ成分なので効果はほぼ同じといっていいでしょう。
「食品用」なので「農業用」焼成カルシウムよりも安全性が高いといえます。
使い方は本家とほぼ同じでいいでしょう。
食品用だと、安全性が高くなるため、価格も高くなります。
こだわらないのであれば安い「農業用消石灰」を使用することをおすすめします。
「水草その前に」はどこで買える?カインズなどでの入手方法
やはり本家の「水草その前に」を購入したい場合、どこで買えばいいのでしょうか。
カインズなどホームセンターでも購入することができます。
もしくは通販などでまとめて購入するのもよいでしょう。
ホームセンター(カインズ)にもある

カインズにも売っている店舗はあります。
ただ、すべてのカインズで取り扱っているわけではありません。
扱っている店舗は「ペッツワン」というペットショップが併設されているカインズのみです。
ペットショップが併設されていないところではまず売っていないので、お気を付けください。
こちらで調べることができますので、参考にしてください【Pet’s One店舗検索】
通販でまとめて購入すると少し安い
水草はこれからもたくさん買って増やしていくと思いますので、まとめて「水草その前に」をストックしておくのもよいでしょう。
店舗で購入するよりも、通販でまとめて購入するほうが安い場合が多いのでおすすめです。
通常は1袋200円ですが、10袋で1890円になっているので少しだけお得です。
いちいち店舗に行くのも面倒ですので、私はいつも通販で購入しています。
よくある質問(FAQ)
ここでは「水草その前に」に関係しているよくある質問についてお答えします。
Q. スネールが入ってしまった場合はどうなるのですか?
すでにスネールが入ってしまった場合は、水草その前にでは対処できません。
その場合は、まず水質改善をしたりコケ取りグッズをつかったりする方がよいでしょう。
あまりにも多い場合はリセットするほうが早い場合もあります。
くわしくはこちらの記事で解説していますのでご覧ください。

Q.コケへの対策としては効果がありますか?
水草についたコケに対しての効果はほぼありません。
コケ対策としては、ハサミでコケだらけになった葉をトリミングしたり、ヤマトヌマエビを入れたりして対策をしていきましょう。
とくにヤマトヌマエビの効果はすごいので、こまったら多めに入れておきましょう。

まとめ|「水草その前に」で水草導入の失敗を防ごう
ここまでをまとめます。
- 「水草その前に」の効果は「農薬除去」と「害虫駆除」
- 10分以上浸けると水草が溶ける可能性がある
- 葉が柔らかいマツモ・アナカリスなどは要注意
- 代用品としては「消石灰」がよい(※自己責任でお願いします。)
- まとめ買いもお得
水草を水槽に入れる時には「水草その前に」を使用すると安心感がちがいます。
私は使用しないで入れたらスネールだらけになってしまったこともあります。
そうならないためにも、多少の費用はかかりますが、正しく安全に入れられるようにしていきましょう。