水草育成

アナカリス(オオカナダモ)の育て方と魅力を解説~増やし方・植え方・溶ける原因まで~

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金魚やメダカ・熱帯魚水槽で人気のアナカリス(オオカナダモ)。

難しい条件もなく育てられるのに、ライトグリーンのきれいな葉が特徴の水草です。

しかし、そんな水草でも育て方によっては溶けてしまうなどキレイに育たなかったりすることがあります。

そこでこの記事では、水槽歴13年の私がアナカリスの特徴や育て方について解説していきます。

これを読めば、きれいな水草が育つ水槽にできますよ。

まずはこの記事の結論からお伝えします。

  • アナカリスは、浮かべても植えても固定して沈めても育てられる
  • 水を浄化する力が強い水草
  • 「差し戻し」などをして増やすことができる
  • 溶ける原因は、光量・水温・水質の変化

それではくわしく解説していきます。

また、金魚やメダカの水槽には「マツモ」もおすすめです。興味がある方はこちらもご覧ください。

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アナカリスってどんな水草?水を浄化する作用もある

まずは、アナカリスがどのような水草なのか、なぜ人気なのかを簡単にお伝えしていきます。

名称アナカリス(オオカナダモ)
水質中性~弱アルカリ性(pH7.0~7.5前後)
育ちやすい水温20~25℃(10~30℃前後までは耐えられる)
大きさ30~100㎝
(水槽の大きさによる)
Co2なくても育つ
1本の価格帯1本50~100円(水草の中ではお手頃)
主な特徴・生長は早い。
・魚の産卵場所や隠れ家になる
・葉と根の両方から養分を吸収する
・メダカや金魚との相性◎

アナカリスは熱帯魚水槽でも使用されますが、主にメダカ・金魚水槽で使われることが多いです。

人気の理由としては次の3つがあげられます。

  • ライトやCo2がなくても育てられること
  • 適応する水温の幅が広いこと
  • 浄化作用が強いこと

ライトやCo2がなくても育てられる

通常の水草を育てるには、水草育成用のライトが必要になります。

専用のライトは高価なものが多いので、なかなか手を出しづらいという方も多いです。

水草育成にはお金がかかります。

その点、アナカリスは水草育成用のライトは必要ありません。

水槽用のライトであれば何でも育ちますし、直射日光が当たらない明るいところに置いておくだけでも、そこそこ育ちます。

メダカの屋外水槽でも育てることができるので、たくさんの方が使用しています。

他の水草も育てたい方は、こちらの専用ライトをおすすめします。

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適応する水温の幅が広い

アナカリスが耐えられる水温は「10~30℃くらい」と言われています。

水草の中ではかなり幅が広い種類といえます。屋外水槽でも、1年中対応することがができます。

冬には生長は止まってしまいますが、春になるとまた生長し始めます。

室内のメダカ・金魚水槽においても気温の変化が激しい夏・冬でもしっかり育つので、重宝される水草といえます。

水の浄化作用が強い

アナカリスは水をきれいにしてくれる「浄化作用」が強い水草です。

浄化作用の強さは「生長の速度」に関係しています。

水草は生長する時に「窒素」や「リン」など、水の汚れといえる成分を吸収してくれます。

生長が早く、たくさん増える水草ほど汚れを吸収して、養分として使ってくれるのでどんどん水がきれいになっていくというわけです。

アナカリスだけではなく、水草にはすべて浄化作用があります。

アナカリスを入れるだけでも水はある程度きれいにはなりますが、ろ過フィルターが合ったほうが水はキレイになります。

室内の場合は、ぜひろ過フィルターを使用してください。

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アナカリスの増やし方|簡単&失敗しにくい方法

アナカリスは成長が早く、少しの工夫でどんどん増やすことができる水草です。

ここでは、初心者でも成功しやすい増やし方と、きれいにレイアウトを保つためのコツをご紹介します。

伸びた部分をカットして植える「差し戻し」

水槽の底に敷いてある砂利やソイル(土)などに植えている場合は「差し戻し」という方法で増やしていくのがよいでしょう。

差し戻しは、生長して伸びた上の部分を切り、切った部分をまた底に差して増やしていくやり方です。

水面近くの5㎝程度をハサミでカットして、ピンセットなどで底に植えてあげましょう。

植え方は後ほどくわしく解説していきます。

切った部分をそのまま浮かべて増やす

先ほどは切った部分を植えて増やす方法でしたが、切った部分を浮かべても増やすことができます。

5㎝程度に切った水草を、そのまま浮かべて置けばまたその水草も伸びてきます。

また伸びた部分を浮かべておいて・・・というようにどんどん増えていきます。

適度にトリミングしたり、手入れをしてあげればもう新しくアナカリスを買わなくてもよいので、かなり経済的にも助かります。

増やしすぎもよくない

生長がはやい水草は、すぐに水面や水槽内をいっぱいに覆ってしまいます。

そうなると、光が届かない部分ができたり魚が泳ぎづらくなってしまったりします。

そのため、適度に間引いていくことも大切です。

間引いていく場合には、半分くらいの長さに切って古い部分の方は捨てるようにしましょう。

古い部分は茶色くなってしまったり、葉が落ちてしまったりして見た目がよくない部分もあります。

そのような部分は切ってしまうことで、きれいなアナカリスだけを水槽内に残しておくことができます。

捨ててしまうのはもったいないような気がしますが、光が当たらない部分があると、全部の調子が悪くなってしまうこともあります。

少しかわいそうですが、処分してしまうのがよいでしょう。


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アナカリスの育て方 植える・浮かべる・沈める

アナカリスは「植える」「浮かべる」「固定して沈める」という3つの方法で育てることができます。

ここではその3つの方法について、さらに育てやすくするためのコツやおすすめの方法などをお伝えします。

底床に植えて育てる方法

アナカリスを植える底床(ていしょう)は砂利、ソイル(土)、砂などなんでもいいです。

植える時には、水草用のピンセットがないと難しいです。安いものでもいいので専用のモノを使用してください。

まずピンセットでアナカリスの下の方を持ちます。

茎をやや斜めにして底床に差し込みます。まっすぐではなく斜めに植えることで抜けにくくなります。

画像はアナカリスではないのですが、植え方は同じです。

植える前に下の方の葉を数枚落としておくと、腐りにくく根が出やすくなります。

節が底床に埋まるよう意識すると、そこから新しい根が伸びて安定します。

もし、すぐに抜けてしまうという場合には、葉を落とさずにそのまま植えてください。

葉がストッパーの役割をして、抜けづらくなります。

浮かべて育てる方法

アナカリスは底床に植えなくても、水中に浮かべて育てることができます。

浮かべるだけで光と養分を吸収し成長するため、底床のない水槽や簡単な管理をしたい方に向いています。

メダカや金魚の産卵床や稚魚の隠れ家としても効果的です。

卵が付いたアナカリス

ただし、光が当たりにくくならないよう水面に広がりすぎたら間引きましょう。

重りなどで固定する方法

アナカリスを数本束ねて、重りなどで沈めて育てるのも一般的です。

アナカリスは、袋で売られている場合が多いのですが、重りが入っていない場合が多いです。

重りが付いて売られているものであれば、それを使用してよいのですが、そうでない場合は自分で購入する必要があります。

また、専用のモノでないと、鉛など魚に取って有害なものが含まれているものもあります。

かならず水槽に入れても大丈夫なものを使用するようにしてください。

 

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アナカリスが溶ける原因と対処法

アナカリスは丈夫で初心者にも育てやすい水草ですが、条件が合わないと「溶ける」ように枯れてしまうことがあります。

溶ける原因は一つではなく、水質・温度・光・栄養などさまざまな要素が関係しています。

ここでは、代表的な原因とそれぞれの対処法をわかりやすく解説します。

これらを知っておくことで、アナカリスを長く健康に育てることができます。

栄養不足

水草は「カリウム」「窒素」「リン」の3つの養分を吸収します。

窒素やリンは、魚のエサやフンなどから染み出て水中に溜まっていきます。

これらを吸収して育つのですが、立ち上げたばかりの水槽ではこれらの養分が不足しています。

そこにすぐにアナカリスを入れてしまうと、養分が足りなくて枯れてしまうことがあります。

対処法としては「養分のあるソイルを使用すること」「液体肥料などを入れること」が挙げられます。

立ち上げたばかりの水槽であれば、液肥を少しだけ入れて様子を見るのがよいでしょう。

適応外の水温

アナカリスは10~30℃程度までは耐えることができます。室内の水槽であれば、それを外れる温度変化はないと思います。

問題は屋外で育成している場合です。夏の高温や冬の氷点下などでは枯れてしまうこともあります。

夏の場合には、日陰を作ったり一時的に室内に水槽を置くなどして水温が上がりすぎないようにしましょう。

冬の場合には、日当たりのいい場所に置いたり、発泡スチロールの箱に入れるなどして温度が下がりすぎないようにしてあげるとよいでしょう。

光量不足

強いライトはなくてもいいのですが、部屋の明かりだけではさすがに光量不足です。

窓際の直射日光が当たらないところに水槽を置くか、安価でもいいのでライトを準備するようにしましょう。

水質悪化やコケの発生

水質の悪化によって水の汚れが多くなりすぎてしまったり、コケが発生してしまうと生長できなくなってしまう場合があります。

コケ水草にまとわりつくと、光合成ができなくなってしまい枯れてしまうことがあります。

週に2回程度1/3の程度の水替えなど、いつもよりも少し多めの水替えをしていきましょう。

また、エサの頻度を少なくするなどして水の汚れをできるだけ抑えていくとよいでしょう。

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溶けた時はどうすればいい?

溶けてしまったり、枯れてしまった部分はもとにはもどりません。

そのため、調子が悪くなってしまった場合はその部分を切って処分しましょう。

キレイに育っている先端の部分だけを残し、リカバリーしていくような感じです。

枯れてしまう理由はいくつかあるので、判断は難しいですが、上記のどれかに当てはまることが多いです。

まずは水替えをしたりして、水をきれいしていくことを心がけましょう。

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アナカリスQ&A|よくある疑問解決

ここではアナカリスに関するよくある質問についてお答えします。

アナカリス以外にもおすすめの水草はある?

適温の幅が広く、育てやすい水草は他にもあります。

メダカや金魚水槽でよく使用されるのは「マツモ」「カボンバ」です。

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こちらは育てやすく増えやすいのでおすすめできます。

また、熱帯魚水槽では「陰性水草」がおすすめです。

こちらの記事も見てくださいね。

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メダカや金魚に食べられない?

はい。エサが不足していると食べることがあります。

金魚は食べてしまうこともありますが、アナカリスの生長も早く増えやすいため、食べきってしまうということはないでしょう。

メダカはそこまで食べることはありませんが、エサが不足していると新芽を食べることもあります。

まとめ|アナカリスを長く元気に育てるポイント

ここまでをまとめます。

  • アナカリスは水の浄化作用が強い
  • 「植える」「浮かべる」「沈める」どれでも育つオールマイティな水草
  • 切っておくだけで増えるので簡単
  • 枯れる・溶ける場合は光・栄養・水質の見直しを

アナカリスは、初心者の方でも育てやすい水草です。

メダカ・金魚水槽だけでなく熱帯魚水槽でも重宝します。

価格も安く手に入れやすいので、ぜひチャレンジしてみてください。

きっと水槽がより一層おしゃれになりますよ。


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